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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第179話 右手の悪夢
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っていた訳ではないが、キリトは何処か嬉しかったりもする。戻った予選会場にはシノンもリュウキもいなかったからだ。ただ……、正直疲労感はALOよりも遥かにあった。
あの戦いでの勝因は、銃弾を剣で凌いだキリトにあった。予測線を見極め、剣を振るう。ぶぅん!ぶぅん!≠ニ言う光剣の独特な一撃一撃の音は、本当にSFチックだ。
ライフルから放たれるであろう予測線は其々6発。
吐き出されてくる銃弾の順序、というわけだろう。連射してくる割には、自分の身体を捕えている数が少ない。6発以外は、上下左右に僅かずつ外れているのだ。
――命中精度は案外大したことないのかもしれない。見極める事が出来る。
キリトは、久々の対人戦がもたらす緊張感に、ようやく戦闘モードへとシフト。確かに銃の速さは現実であれば、捉えられるものじゃない。だが、キリトはそんな常識を一笑。
――あの世界で、自分がどんな経験を積んできたと思う?
異常な眼を持つ剣士は、まるで未来をも見通しているかの様に、敵攻撃を遮り、時には反撃の一撃を当てる。本人がなんと言おうと、決してあれは不正な力等ではない。10年以上にわたり、培われ育まれてきた眼の力なんだから。そしてそれをずっと、となりで見続けてきたのだ。
バッ、バシッ! と鮮やかなオレンジ色の火花がはじけ飛ぶ。
確かに、1本1本を見極め、その軌道上に、当たる瞬間を狙って、正確に斬り返す事には精神力を要するが、キリトは歯を食いしばって更に剣を弾いた。決して速度は落とさず、全ての弾丸を弾き、いや斬り落とすと一気に駆け抜けた。
当然の事、だとは思うが、キリトの対戦相手《飢丸》はびっくり仰天。下顎ががくんっ! と落ちてしまう程の仰天映像だった。
だが、驚いてばかりは居られない。
直様、空になった弾倉を替えようとするのだが……、キリトがそれをさせない。あの世界で、自分が培われてきた剣技を用いて、敵を貫いたのだ。
あの世界、そうSAO世界であれば片手直剣スキル《ヴォーパルストライク》と呼ばれた必殺の一撃。
その一撃はジェットエンジンの様な振動音を起こし、そして飢丸を葬った。その身体が真紅の硝子片に変わり、虚空に拡散していったのだ。
「……」
勝利の余韻に浸る間もない。
何時、第2回戦が始まるとも限らないからだ。だから、キリトは中継モニタに集中していた。次の相手が誰なのかは判らないけれど、見ておく事も大切な事だ。そしてリュウキ、そしてシノンのこの世界戦いが見られるかもしれない。
キリトが周囲を見渡した時、あの男、シュピーゲルの姿を見た。モニタを睨む様に凝視している姿がそこにあった。恐らく、その先にシノンがいるんだろう、と思ったキリトは
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