暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第179話 右手の悪夢
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声色から、男性のもの、と判る程度だった。

「………」

 そして、もう1人が見ていたのは違う者。

 この中で唯一交戦中ではないのに、度々ライブカメラが回されている。何故なら、ランダムに選ばれるステージの中でも滅多に当たらない、とされているフィールド、そして夜間の戦闘だと言う事もそうだ。夜間戦闘と言うのは、プレイヤー側からすれば、闇を利用し、擬態を駆使して戦う頭脳戦が楽しめる。が、観客側からすれば、見る事が難しく、なかなか進展しないから塩試合と言う事が多いのではないか? とされていたのだ。

 故に、当たるのは稀に設定もされている。(運営側の都合上)

 現に1回、2回の予選では誰ひとりとして当たってはいない。通常のフィールドで味わう事位しか出来なかった戦場が現れ、少なからず注目を増す事になり、ライブ中継を続けている様だ。

 映されているのは、トミーガンを手に、暗視ゴーグルを頼りに攻めている男の姿。その上に、誰と誰が戦っているのかが表示されいている。

「……あの言葉」

 もう1人の男は呟く。眼付きを鋭くさせ、ただ只管その画面を、まだ新たな展開が生まれた訳でもないのに、見ていた。ただ、思うのは戦いの場に行く前に言っていたあの言葉。

 アイツ(・・・)が言っていた言葉。

 その言葉は、不特定多数が知っている筈。数多くのGGOプレイヤー達が利用している掲示板だから。
それなりに、レスも伸びており 数多くのプレイヤーが見ていた筈だ。アレだけの異常事態。……別に見ていてもおかしくはないだろう。だが、気になった。
 まるで……。

「……挑発、か」

 そう、挑発をしている様に聞こえたのだ。

 まるで、まるで……。

 アレを書いたのが自分。……そして、まるで向けた相手に言っている様だった。

 頭の中でそれらが浮かんでいた時に。夜間戦闘の戦いが動いたのだった。









〜予選1回戦・RYUKI vs Pain〜



 それは突然だった。
 男は出入り口が1つしかない、小屋。窓は四方に2,3程あるから、逃げる事は可能だ。恐らくは中継基地無線室の様な小屋だろう、突入した所で、手始めに銃弾をばら蒔いた。確かに相手はまだ見えないが、先手必勝。仮に当たらなくても、牽制になるからだ。

「ひゃはぁっ!! 隠れても無駄だァ!」

 闇に包まれていても、暗視ゴーグルを装備していれば問題ない。辺を見渡し、何処かに隠れていないか、を確認したが……。

「……? おかしい。この中に入っていったのを間違いなく見た筈だが」

 その中には誰もいなかった。
 銃弾によって、破壊可能オブジェクトは大体壊れ、盾になりそうな机や棚は全て散乱している。……隠れられる
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