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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第179話 右手の悪夢
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は、もうこれ以上なにも言わない、きかない、と決めて。だが、再び驚くことになる。
「……名乗る様な名前じゃない。今は諸事情で、姿形は 違うが。……普段はしがない只の一匹狼気取りの者さ」
セリフの要所要所は違う。だが、明らかに意識して、そう言っているのは判った。
そう、この者は知っているのだ。
自分がこの世界に舞い降り、最強の魔王、恐れられる魔王と成るべく最初の生贄に選んだあの男を葬ったその時に、出会っている 白髪の男。
「……撃ってみろよ。 お前にはその力があるんだろう? ……はは。撃てないか」
そういった途端に、キリトは思わず肩を掴んだ。
この時、全ての全容が判った。
自分が、自分たちがおっている者がこの男なのだ、と言う事もはっきりと判った。
判ったが故に、キリトは驚き、止めようとしたのだ。この男から撃ち放たれた銃の弾丸は、現実世界で2人の人間の心臓を止めたからだ。
そのトリックが判らない。その殺害方法がまだ判らない。
だが、相手があの笑う棺桶であれば……、また何か恐ろしいことをしでかした可能性は十分すぎるほどにある。決して偶然ではなく、自らの手で。
「――いつか、殺す。お前も、お前も」
銃で撃つようなことはせずに、ただそう言った。男は何者であるのかは、理解した。あの時に声をかけてきた唯一の男だ、と言う事だけ。それだけで十分だった。殺す理由は。
そして、名前を語った偽物かもしれないが、あの名前を持つこのプレイヤー、も同様だ。
「……お前にそんな力があるのか? 止めておけよ。……でなければ、死を施されるのはお前自身になる。お前は、死ぬまで監獄の中だ」
そう言うが、決して挑発じみたその声には乗らず、ただ単調に返した。
「いつか、必ず、殺す。……オレが言う、以上。……お前の、死は、絶対だ」
そのマスクから、白い息と共に、コフーッ!≠ニ言う音が出る。表情は見えないが、そこには明確な殺意が宿っていた。だが、その明確な殺意で向けられた気迫にたじろぐことはない。
逆に、相手が驚く結果となった。
「……お前は本当に」
その表情を覆い隠していたフードがゆっくりと外された。
このプレイヤーが誰なのかを確認する必要がある、と考えていた男にとって、それは願ったりだった。殺す為に、必要なことだから。
だが、誰か判らないと言う疑問は、この瞬間消し飛んだ。
『似合うな。……牢獄よりも地獄の方が』
獰猛な何かが、身体を貫いた気がした。
「!!」
今度は明らかに驚いた、驚愕した。と言う事がそのマスクの中にでも判った。確認した顔は、知らないモノ。……いや、それでも知っ
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