再び城館(シャトー)へ
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お願いします。」
僕はその言葉に無言で頷いた。
「ま、今日は少しお休みという事で!
マスター!今度はオレンジカクテルちょうだい?」
「あるよ!」
マスターは今度は嬉しそうな顔をしてカクテルを作り始めた。
僕は少し苦笑しながらランの飲み相手をした。
…酒宴が終わったのは日を跨いでからと言っておこう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
次の日。
一昨日作った転移魔法で俺たちは再び炎帝の城館の前にいた。
「…。」
「どうしたの?フォルツ?」
ニナが不思議そうな顔で見てきたので俺ははあ、とため息を吐いた。
「…なんでこの魔術師がいる。」
そう言って俺はアリス・スタライズを睨みつけた。するとアリスは飄々とした態度で。
「別に私も貴方と一瞬に行くとは言っていません。
ここでお別れです。」
「ええ??なんで??なんでよ??」
ニナはそんなアリスの言葉を聞いてプンスカプンスカ不機嫌気味だった。するとアリスは。
「いえ、別に私も『夢幻の剣』フォルツ・レープリカの力を借りたいのですけど…。
残念ながら貴方の相棒さんが認めてない様なので…。」
「…ああ。」
俺はそう言って肯定する。当たり前だ。いくら強いと言っても見ず知らずの奴をパーティーに入れるなんて考えられない。
だが…。
「俺はお前を信用していない。
だからお前と俺たちは別々に行く…。だが…。」
「?」
アリスはキョトンとして俺を見つめてくる。その蒼い瞳は澄んでいた。
ああ。嘘はついてないんだろうな。
…昔の僕と大違いだ。
「だが俺もこの館に囚われた奴らを助ける為に協力しよう。
囚われた奴らがいたら俺もならべく救出する。」
「…??本当ですか!ありがとうございます!」
そう言ってアリスはぺこりと頭をさげてきた。
俺はそれを見て館の扉を開ける。
「別に…。
よく考えたら俺が戦ってる間に女が苦しんでるなんて夢見が悪いからな。」
そう言って俺は館の中に入っていく。それを見てアリスは少しだけ微笑んだ。
館に入るとどうやら構造は本館と別館に分かれていて俺たちがいるのは3階建ての別館。本館は別館の奥。一階建ての様だ。
「私は別館を調べます。」
そう言ってアリスはさっと慣れた動きで別館の階段を登って行った。俺はキッと目の前の闇に睨みつけた。本館へと続く通路に今、俺たちはいるのだがその先から溢れ出るプレッシャーがある。
感じる…。何か黒い物を感じる。
「…いるね。ここに。」
ニナはそう言って俺と同じ方を睨む。
ここにいる。奴へのてがかりが。
「…行くぞ、ニナ。気配は本館だ。」
「了解。」
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