未確認な追憶
[2/5]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
したのか解らない。
解ってるのは目の前の女の子が綺麗な事と…………服装が変な事だ。
コスプレ衣装かな、古風の貴族の様な服装。
雰囲気出てるな。まるで貴族の様な貫録と雰囲気は俺の思考を狂わせる。
苦手なんだよ、女ってさ。会話する方法を教えてくれ!
すると黙ったままの女の子は口を開けた。
「18時54分47秒・・・貴方は消える」
――――――消えた。
慌てて廊下から飛び出るが、女の子の姿は見えない。
嘘だろ・・・まさか、幽霊的なパターンか?
そう考えると寒気が……周囲を確認するが、女の子は見当たらず。残ってるのは俺だけだ。
『下校時間です。校内に残っている生徒は速やかに下校して下さい。
繰り返します………………』
教室の電気は消えた。
一定の時間が過ぎると電気が消える様に設定されているのだ。
放送の時刻からすると時間は6時30分か、まだ学校全体の電気は消されないな。
教室の電気は消えるが、廊下の電気は7時に消える。それを超えれば夜の学校の完成だが、まだ時間は残っている。
俺は考え、実践する。
まぁ、女の子を探すと。
うちの高校の制服を着てなかったって事は多分、うちの生徒じゃない。
それにこの高校に演劇部なんて部は存在しない。勿論、コスプレ部もだ。
なら、部外者と考えるのが通りだ。もしかしたら暗闇の教室で怯えてるかも知れない。
説明を加えるなら、うちの高校は6時30分を過ぎると電気が消えると同時に扉にオートロックが掛けられる。
俺みたいにマヌケな奴は教室に荷物を置きっぱなしにするのだ。
ザマァ〜って俺の事じゃん。現に俺のバックが教室に閉じ込められてる…………ハァ、置き勉だドンマイ俺の筆記用具達。明日、迎えに行くからな。
あれ? 明日って土曜日だったような?
すまん…………筆記用具達よ。来週の月曜日会おうぜ。それまで生きてろよ!
身軽な姿で、俺は女の子を探索する。
真っ暗な教室を一つずつ確認する。
スマホの光を光源にドアの窓から見るが、女の子の姿は見当たらない。
隣の教室も、その隣も、はたまた隣の教室も。
スマホの時計で時間を確認する。
時間は6時52分…………あと8分経ったら校内の電気は全部消える。
俺も、閉じ込められる………………訳ねぇじゃん。
フッフッフッ。
うちの高校の生徒は万が一・万が一学校に閉じ込められた時の為にCランクまでなら開放する事が一時的に可能な生徒手帳を支給されている。Cランクだと教室の鍵や一部の特別教室の鍵などを開けられる位のレベルだ。
このまま時間が過ぎたとしても、俺はこの生徒手帳で脱出可能って訳だ!
参ったか!見知らぬ綺麗な女の子よ!ワッハッハー…………節子、それ生徒手帳ちゃう。メモ帳や。
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ