暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第176話 BoB前哨線・バギーレース
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ただ唸り声を上げていた。

「あはは。さ、行こう。これなら十分間に合うよ! こっち!」

 キリトの心境を大体察した様で、彼女は笑いながら飛び降りた。リュウキは、問題なく彼女に続く様に走るが、キリトはまだ引きずっているのか、やや遅い。そんなキリトの手を引いたのは彼女だった。
 
『次、頑張ればいいじゃん!』と言わんばかりにウインクをして。



 因みに、カーチェイス、デットヒートの軍配はリュウキと彼女のバギーに軍配が上がった。

 
 差を分けたのは、大型のバス、そして軍用車両、ジープや73式大型トラック……etc 宛ら、車両の密林、と言わんばかりの数に包囲? されてしまったのだ。別に時間は問題無いが、キリトはブレーキをせずにはいられず、急速にスピードダウン。勝機! と見たリュウキは、逆にアクセルを吹かした。
 
 流石の後ろで見ていた彼女も『む、ムチャ、ムチャよ!』と騒いで、ぎゅっ! と腰辺を強く抱き寄せたが、『心配するな』と一言。

 このバギーと車両の間は、もう数cmの世界。
 
 だが、一気に大型車両をごぼう抜きにしたのだ。
 彼女は、抜き去る寸前まで、『きゃぁっ!』 と可愛らしく絶叫をして、そして驚きの表情をもしていたが 抜いた事を確認。何度も何度も瞬きして、確認した後、後方で唖然としていたキリトに ニコリと苦笑いをかけていた。

 と言う感じで、カーチェイスは、リュウキに軍配が上がった。
 以前、ALO内でのレースでは自分が勝ったからか、借りを返した、と言わんばかりにリュウキは笑っていたのだった。




 そして、そうこうしている内に20段程度のステップを抜けると、目の前にとてつもなく巨大な金属タワーを見た。前後に長い流線型のフォルムを持ち、所々からアンテナの様な円盤や、レーダーの様なドームを突き出している。

「これが総督府。 通称《ブリッジ》。あなたが出てきたゲーム開始地点、《メモリアル・ホール》のちょうど反対側」

 キリトの方を向いてそう答える。

「ブリッジ? 橋……?」
「違う。《船橋》って言う意味。グロッケンが宇宙船だった時代の司令部だから、そう呼ばれてる。……設定だけど」
「設定って言っちゃったら、身も蓋もないけどね。そ、その通り」

 リュウキの説明に、彼女も頷いた。2人の説明を聞いたキリトは、頭の中で納得したように頷くと。

「宇宙船。ああ、それで街がやたらと縦に……」
「そう、正式名称についてる《SBC》ってのは《宇宙戦闘巡洋艦》の略なんだって。イベントのエントリーとか、ゲームに関する手続きは全部ここでするんだ」

 最後の解説は彼女がしてくれた。
 こう言う事を説明する時は、設定……とは言わない方がいいな、と頭の中で反省をするリュウ
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