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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第176話 BoB前哨線・バギーレース
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悪い。
「ん……、一応、知ってるよ。……コテンパンにやられて、頭が上がらないプレイヤーだよ」
だから、そう答えた。半分以上は本当の事だ。彼と勝負はした事ないから、やられた、と言うのは事実ではないが、なんだか負けてしまいそうな気がするのだ。そして、頭が上がらない、と言うのも間違いなく事実である。
「はぁ……、やっぱり アナタもアイツにヤられた口だったのね」
それを聞いて深い溜息を吐く少女。どうやら、彼女も同じらしい。
「(年頃の女の子が《ヤられた》って、あまり使わないほうが良いんじゃ……)」
丁度横できいていたキリトはそう思ってしまっていたが口を噤む事にした。性別関係の話題をあげたくないからだ。
そして、それよりも気になった様で。
「へぇ、そんな凄いプレイヤーと出会った事があるんですね?」
「まぁ……、私の戦闘スタイルの事も何度か指摘された事、あるし。リアルでは教官、教師だったりするの? って感じ。……ちょっといけ好かないけど」
そう言って、悔しそうに口元を歪ませる。その感じから、一度も勝てなかったんだろう、と言う事がよく判る。いけ好かない、と言う事は勝てなかったから悔しい、と言う感情で占められているとも思えた。
「まぁ、あの人の強さは知ってるよ。……正直、相対したくはない」
「……あんな無茶な射撃スキル持ってるのに、そう思うんだ。私からすればアナタも大概なんだけどね。あのゲームクリアしたんだし。……まぁ、それでもアイツは別格って事か」
返答を聞いて苦笑いをしている。
バトルロイヤルなら、負けるつもりは無いけれど、正面からの撃ち合いは分が悪すぎるとさえ思っている程だ。そして、銃の知識もあるし、腕もある。これまでこのGGOで見た事無いけれど、相当な手練だということは判った。でも疑問にも思う。
「それだけの腕を持ってるのに、なんで、GGOの象徴とも言える大会。これまでのBoBで結果を出しに来なかったの?」
「いや……、別に大した理由があるわけじゃない。他のゲームをやっていたから、と言う理由だけだ。……射撃系に関しては元々FPS系のゲームも数多くしていたし。あとはコンバートしてるから、別世界の身体能力を受け継いだから出来る。って所か」
「成る程……。VRMMO、ここでの動きは別ゲームで。ガンゲームに関しては以前までのゲームで、って事。……いきなりの実践でもかなり上に来そうね。あなたの事も覚えておくわ」
にやりと笑いかけながらそう言う。それを見て、笑顔で頷いた。
「(……この子も戦場で笑えるだけの強さを持ってる。……アイツと相対してて、似た技術も使ってるんだから、それを考えたら そうかもしれない)」
笑う姿を見て、そう直感する。
――だけど、
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