2部分:第二章
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第二章
「だから頭洗わないと駄目なのよ」
「だからこんなに痒くなるんだ」
「ええ、そうよ」
その通りだとです。お母さんは元也に言います。そうしてです。
優しい声で、です。こう元也に言いました。
「じゃあ今から頭洗う?」
「お風呂入るの?」
「早いけれど入りましょう」
元也の前に屈んで、です。彼の顔をじっと見て言うのです。
「お母さんと一緒にね」
「頭洗ってくれるの?」
「シャンプーでじっくりと洗ってあげるわ」
お母さんの声はここでも優しいものでした。
「だからね。今から入りましょう」
「うん、お風呂に入れて」
あまりにも痒くて汚いからです。元也も今はこう答えます。
「痒くて仕方ないから」
「ええ。それじゃあね」
こうしてです。お母さんは元也をお風呂に入れてあげてです。シャンプーでその頭を丁寧に洗ってあげるのでした。
それが終わってからです。身体も洗って湯舟の中で元也に言うのでした。
「これでわかったわね」
「うん、頭を洗わないと駄目なんだね」
「さもないとまたフケが出て来てね」
「頭が痒くなるんだね」
「それって凄く嫌でしょ」
こうです。一緒にお風呂の中にいる元也に言うのです。
「だから頭もちゃんと洗わないと駄目なのよ」
「そうだったんだね」
「若し元也ちゃんが洗えないならね」
その時はどうかというのです。
「お母さんかお父さんが洗ってあげるから」
「だから絶対になんだ」
「そう。頭は洗わないと駄目なのよ」
それはどうしてもというのです。
「わかったわね。そのことが」
「うん、僕わかったよ」
元也は素直にお母さんに答えました。
そうしてです。こう言うのでした。
「これからはちゃんと洗うから」
「そうしなさいね」
こうしてです。元也はちゃんと頭を洗う様になりました。それから彼の頭にフケが浮き出ることはなくなったのです。
頭を洗わないと 完
2011・11・28
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