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ランス 〜another story〜
第2.5章 出会いと再会は唐突に
第35話 またいずれ……
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 場に流れるのは、極限の緊張感。ただ、その場にいるのは1人だけ。……だが、何かを感じる。

 直ぐ傍に、強大な何か(・・)がいる。


「(相手は間違いなく強い。まだ、姿を現してなく、見てもいないのに、感じる(・・・)。……生半可な、攻撃は無意味だな)」

 ユーリは、忍者刀を腰に挿し、姿勢を低くして長剣の方の柄を握り締めた。


 完全に、抜刀術の構えを取った。
 
 この構えから繰り出される剣技が 最も早い。即ち最速の剣技。
 Lv2の技量を如何なく発揮する自分の中では極限の境地のひとつだ。

 それは、一般的な強さのLvの差は、まるで意味を成さない。
 何故ならば、いくら、Lvの差が10であろうと、20であろうと、……極論すれば、例え100であろうと、その身体の急所に絶命しうる一撃を入れれば倒れる。つまりは必殺の一撃。

 今迫り来る相手は、恐らくは、才能限界値、現在の才能技能では 自分は遥かに劣っているとユーリは推察、肌で感じた。

 ならば、レンジャー、つまり忍者や暗殺者が良く使う≪暗殺の知識≫に酷似している力を使う。

 大事なのは才能限界、現在才能技能Lvより、自分の剣技、経験と技量の差でもあるのだ。

 そして、何よりも最後は、覚悟。……即ち、強敵に向かうだけの勇気だけだ。

「………」

 そして、ユーリは目を閉じた。あえて五感の1つを縛った。

 敵は見えない。見える位置にはいない。だが、相手は自分に攻撃を仕掛けられる距離にいる事は間違いない。
 視覚では捉えられないので、あれば、意味を成さない五感の1つ≪視覚≫を捨てよう。視覚を縛り、そして、気配で相手を見つける。

 攻撃の瞬間は、絶対に気配はするものだから。その一瞬の殺気でユーリは気づき、攻撃を避ける事が出来たのだから。




 ユーリが抜刀の構えを取っていたその時だった。

「(……怖い、ね。まさかコレほどまでの実力を持った人間が、こんな所に いるなんて思わなかったな)」

 まるで、別の空間にいるような風景の中で、その者はユーリの姿を見定めていた。
 今、目の前の男は別の空間にいる。……この空間からでは、全てが止まって見えるのだ。それなのに、極限までに 集中しているのが、その迫力が、空間を超えて伝わってくる程までだった。つまり。

「(今 姿を見せたら、接近したら……、斬られる、な。まるで、予知が出来る様になったみたいだ。接近戦するならこちらとしても覚悟を決めた方が良さそうだ。でも……)」

 相手はそう思わせるには十分の迫力と気迫だった。

 確かに相手は 人間。
 格下だと思えるのだが、それでも。無傷では済まされないだろうと言う事も悟れた。自分の力を過信しないし、相手の事
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