第2.5章 出会いと再会は唐突に
第35話 またいずれ……
[1/19]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
場に流れるのは、極限の緊張感。ただ、その場にいるのは1人だけ。……だが、何かを感じる。
直ぐ傍に、強大な何かがいる。
「(相手は間違いなく強い。まだ、姿を現してなく、見てもいないのに、感じる。……生半可な、攻撃は無意味だな)」
ユーリは、忍者刀を腰に挿し、姿勢を低くして長剣の方の柄を握り締めた。
完全に、抜刀術の構えを取った。
この構えから繰り出される剣技が 最も早い。即ち最速の剣技。
Lv2の技量を如何なく発揮する自分の中では極限の境地のひとつだ。
それは、一般的な強さのLvの差は、まるで意味を成さない。
何故ならば、いくら、Lvの差が10であろうと、20であろうと、……極論すれば、例え100であろうと、その身体の急所に絶命しうる一撃を入れれば倒れる。つまりは必殺の一撃。
今迫り来る相手は、恐らくは、才能限界値、現在の才能技能では 自分は遥かに劣っているとユーリは推察、肌で感じた。
ならば、レンジャー、つまり忍者や暗殺者が良く使う≪暗殺の知識≫に酷似している力を使う。
大事なのは才能限界、現在才能技能Lvより、自分の剣技、経験と技量の差でもあるのだ。
そして、何よりも最後は、覚悟。……即ち、強敵に向かうだけの勇気だけだ。
「………」
そして、ユーリは目を閉じた。あえて五感の1つを縛った。
敵は見えない。見える位置にはいない。だが、相手は自分に攻撃を仕掛けられる距離にいる事は間違いない。
視覚では捉えられないので、あれば、意味を成さない五感の1つ≪視覚≫を捨てよう。視覚を縛り、そして、気配で相手を見つける。
攻撃の瞬間は、絶対に気配はするものだから。その一瞬の殺気でユーリは気づき、攻撃を避ける事が出来たのだから。
ユーリが抜刀の構えを取っていたその時だった。
「(……怖い、ね。まさかコレほどまでの実力を持った人間が、こんな所に いるなんて思わなかったな)」
まるで、別の空間にいるような風景の中で、その者はユーリの姿を見定めていた。
今、目の前の男は別の空間にいる。……この空間からでは、全てが止まって見えるのだ。それなのに、極限までに 集中しているのが、その迫力が、空間を超えて伝わってくる程までだった。つまり。
「(今 姿を見せたら、接近したら……、斬られる、な。まるで、予知が出来る様になったみたいだ。接近戦するならこちらとしても覚悟を決めた方が良さそうだ。でも……)」
相手はそう思わせるには十分の迫力と気迫だった。
確かに相手は 人間。
格下だと思えるのだが、それでも。無傷では済まされないだろうと言う事も悟れた。自分の力を過信しないし、相手の事
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ