第2.5章 出会いと再会は唐突に
第35話 またいずれ……
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の戦闘を思い出して心底驚いているんだ。幾ら1対1の状況だったとは言え、生半可な集中力じゃ、いや……普通ならそんな事は出来ない。できるのなら、直ぐにその技術が確立されて、対魔法使い技術として各国に浸透していってもおかしくない。
この長い年月、今まで生きてきてそんな技術は見た事が無かったんだ。
目の前に男はそれを体現している。
才能レベル的には自分より遥かに下だと思うが、そんなものでは計れない強さを持っていると直感した。
「さ、イージス。他の皆は何処にいるんだい?」
「はい。リッチの町付近で身を隠している筈です」
「ん、了解。あたしも付いてくけどいい?」
「ありがとうございます。始祖様」
ハンティも、皆と一緒についていく事になり、一先ず リッチの町へと一行は向かっていった。
道中に襲撃が少なからずあるのでは無いかと思ったが、黒髪のカラーの存在はヘルマン王国ではかなり名が轟いている様なのだ。恥ずかしながら、ユーリは黒髪のカラーの事は知らなかったのだが。盗賊の類には何度か遭遇したが、戦意が合ったのは最初だけで、直ぐに彼女を見て戦意を失った。
「へぇ……これは随分と楽だな。送ると言っていた当初は、そこそこは大変だと思ってたけど」
「何言ってんだか……、そこらへんの盗賊なんか、あんたの相手になるのかいっての」
「まぁ……、そう言われればそうだが、それは 体力の問題もあるだろ」
「ま、数が確かにいればそうかもしれないね。あ、そうだ」
ハンティは何かを思い出したように人差し指を上に向けた。
「そう言えば、戦ってる時も思ったが。ユーリはそのフード外さないのか? 視界が狭まって、集中力の妨げになるんじゃないか?」
「………」
結局何処に言っても言われる事は同じなのである。
まるで性質の悪い呪いのようだとユーリは思っていた。
そんなユーリを見てヒトミは苦笑いをして、ハンティに伝えていた。ハンティは、その理由が判るにつれて、どんどん顔が嫌な笑顔へと変わっていっていた。
どうやら、からかい甲斐があるとでも思われたようだ。……ユーリはそんな目をする人物を良く知っていたのだから。
〜ヘルマン領 リッチの町近辺〜
カラーのメンバーが隠れている場所へと向かった。
どうやら、何事も無く隠れられていたようだ。その場所に残り、護衛を勤めていたサクラが多少は警戒をしていたようだが、あの山道を越えてこちらまで追いかけてくるような連中はいなかったようだ。リッチの町からも、不信な人間も、来なかったとの事。
「本当にありがとね。ユーリ。皆無事なのは、あんたが助けてくれたおかげだ」
「何、オレ達は 偶々通りかかっただけだ。それに、彼女達に気づいたのはヒ
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