第2.5章 出会いと再会は唐突に
第35話 またいずれ……
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たのは間違いないから。完全に信用するのは、難しい様だ。
「ヒトミ。大丈夫だ。このひとは大丈夫」
「うん……」
なかなか心を許せなかったヒトミだったが、ユーリの言葉を聞いてゆっくりと、ハンティの方を見た。
そして、ハンティはある事に気がつき目を丸くさせていた。ヒトミの姿を見てだ。彼女は慌てて出てきたのだろう。帽子が脱げていて、今はうし車の中にある。その大きな耳が顕になる。……彼女の顔も完全に。
「……こりゃ、また驚いた。あん……ユーリ、そのコ、幸福きゃんきゃんじゃん」
「ああ。最近知り合ったんだ。マルグリッド迷宮でな。手は出さないでくれよ?」
「出すわけ無いって、言っただろう? あんた達はイージス達の恩人なんだから。それにしても、随分と好かれてるみたいだね。ここまで モンスターに好かれてる人間は魔物使い以外で初めてだよ。幾らきゃんきゃんとは言ってもさ?」
「オレと出会って初めてだって事が多いな。……だが、お互い様だ」
「確かにね」
再びユーリと笑い合っているハンティを見て、ヒトミはおずおずとさせながらも、ハンティの前に立つ。勇気を出して、訊いたのだ。
「その……お姉ちゃんは 皆に、お兄ちゃんに、ひどいこと……しない?」
「……勿論。誓うよ」
「なら……良いよっ!」
それを確認すると、ヒトミは漸く笑顔を見せる事が出来た。
ハンティの目を、表情を見て信じられると思ったようだ。それは、ユーリが言ってくれた事と、ユーリと笑い合っている事、そして、自分が幸福きゃんきゃんだと言う事を知って、攻撃をしてこなかった事もあるだろう。
「さて、イージスたちをペンシルカウまで送らないとね」
「オレも付き合う。ハンティとは色々と話してみたい事が多いからな」
「おっ、奇遇だね〜。あたしもさ。例えば……」
ハンティは、指差した。その先にあるのは剣だった。
「剣で魔法を斬るなんて芸当……あたしは長く生きてるけど、見た事無くてね」
「そうか? 大した事はしてないぞ。ただ、魔法が迫ってきた瞬間に斬っただけだ」
「はは……簡単に言ってくれるね。そんな事が可能かどうかは置いといて、基本的に魔法って言うのは避ける概念なんて無いはずなんだけど……、ユーリを見て覆された気分だよ」
「……魔法使いが最強だと思ってたか?」
「そりゃ状況によるだろう? 適材適所ってヤツさ」
「まぁ……確かに それに、さっきの芸当だって相手がハンティ1人だったから集中できたし、集中してたからこそ出来たんだ。乱戦だったら幾らなんでも無理だ」
「ま、そりゃそうだね。そんな乱戦みたいな状況でも出来たらあたしゃ、ユーリを人間とは認めないよ」
「それは、随分手厳しいな」
ハンティは笑いながらそう言っているけど 内心は改めて先ほど
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