第2.5章 出会いと再会は唐突に
第35話 またいずれ……
[8/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
しぶり見たよ」
ニヤリと笑ってそう言っているハンティ。
その声を訊いて、そして顔を見て先ほどまでのイメージが霧散していく。どうやら、かなり気さくな人物のようだ。
ユーリは、戦闘態勢を解いただけでなく、身体から力を抜いた。
「オレもそうだ。ふぅ……、正直、あのまま やり合ってたら 負けてたのは確実にオレだな。……世界はまだまだ広い」
ユーリは、そう言ってまだ昂る気を落ち着かせていた。そして、ハンティはそれを訊いて更に笑顔になる。
「はぁ? 何言ってるんだ? あんただって、負ける気なんてさらさら見せて無かった癖に。あたしの魔法を2度も防がれて、しかも不意打ちの魔法を、だよ? あたしだってやばかったんだ」
「そうか? オレには、ヤバイって思ってる顔には見えなかったがな」
「言葉、返す様だけど、そりゃアンタだって同じさ」
互いにそう言い合うと……ハンティとユーリは最後には笑いあっていた。本気でぶつかり合ったからこそ……、奇妙な信頼に似たものが出来たようだった。
「こりゃ、本当に面白いヤツだね。改めて自己紹介しようか、あたしはハンティって言うんだ。堅苦しい感じがするけど、一応 ヘルマンの評議員やってる。殆ど、幽霊員みたいなもんだけどね」
「オレはユーリだ。ユーリ・ローランド。自由都市のアイスの町のギルドに所属してる冒険者だよ」
「へぇ……あんた程の腕の持ち主が一介の冒険者なのか。宝の持ち腐れじゃない?」
「随分と評価してくれてるみたいだな……、そんな事は無いさ。オレ以上の者なんて世界には幾らでもいるだろう? 確か、ヘルマンなら、人類最強と称されている男がいたはずだが?」
「ああ、勿論いるよ。あたしの友達だ。……確かに、アイツも確かに強い、でも、アンタなら渡り合えそうだって思えるけどね? ここ最近の軍には、ぱっとする奴、いないけど」
ニヤリと笑ってそう言うハンティ。
「買被りだって言いたいが……、一戦、戦れる機会があるのなら、その時は楽しみたいものだ」
「はは、あたしん時もそうだったけど、清々しいまでの戦闘狂って事だね?」
「そこまでじゃないと言いたいが……最近は否定を出来なくなってしまっているな。が、ハンティもそうじゃないのか?」
「キシシ。時と場合、だよ」
ユーリはそう言うと頭を掻いていた。ハンティは、一頻り笑うと ユーリの傍で、ユーリの影に隠れる様にしているヒトミを見て、屈み目を見た。
「そっちのおチビちゃんも、そんなに怯えなくても大丈夫だよ。何もしないから。寧ろ、礼を言わせてくれないかな? あたしの仲間達を守ってくれてありがとう」
「………」
ヒトミは、何も答えなかった。イージスが大丈夫だといっても、ユーリと話しているのを見ても、ユーリに刃を向け
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ