第2.5章 出会いと再会は唐突に
第35話 またいずれ……
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は 軽くため息をしながらそう言っていた。
「……何を言ってるのか知らんが、オレとしてもがっかりだ」
ユーリは、その姿を、黒髪のカラーを見た時から、感じていた。
「何?」
「アンタも、カラーなんだろう。……あいつ等と同じ、カラー同士だ。……なのに、なぜ彼女達を襲う? 確かに、アンタも知っている筈だが、カラーの持つ額の《クリスタル》は、貴重なアイテムとなる。魔法を使う者なら、喉から手が出る程、欲しいのが実情らしい。だが……、それを手に入れる為の代償が彼女達の命だ。そして、カラーは悲しい過去を背負っている。今も、続いている。……そんな同胞達を手にかけるのか?」
「何っ?」
ユーリは、もう笑みを見せなくなった。目は、釣り上がり……鋭さが増した。
「お前は、同胞達の命を奪うのか。……そうまでして、あのクリスタルが欲しいのか」
言葉の1つ1つを言う度に、剣の柄を握る力が増してくる。
この相手は、黒髪のカラーは間違いなく強い。あの男達が秘密裏に行動をしなければならないと言うのが理解出来る。
そして、ここ最近の戦いの中でも、文句なしのトップクラスだ。
だが、それでも負ける気は無い。そして、逃げる筈も無い。
まだ、しなければならない事がまだあるのだから。まだ見ぬ未来へと行く為に。
そして、出会った彼女達の未来の為にも。
「……ちょっとまっt「煉獄!!」ぐっ!!」
黒髪のカラーは、たじろいでしまった。
ユーリの剣から迸る明確な殺気が、まだ剣で攻撃をしてきていないと言うのに、襲い掛かってきたのだ。
ドス黒い感情が形を成して、襲い掛かってくる。それは、剣に留まらず、まるで全身を覆っていくようだった。
それを、覚悟もなく受けてしまった為、溜まらず黒髪のカラーは、間合いを普段の倍以上に取った。いや……取らされた。 もしも、後ほんの一寸距離が近ければ 別空間へと逃げていただろうと思える。退けない理由があるのにも関わらずにだ。
「(……これほどの殺気、ここ100年は、感じなかった。いや それ以前にも……、……殺気をここまで具現化できるのか!?)」
流れた汗が、額の赤いクリスタルを伝わり、目の中へと入ってくる。それでも、決して反らせる訳にはいかない。……このその凄まじい殺気から、目を反らせる訳にはいかないのだ。
「(だが、それよりも!)」
黒髪のカラーは、勘違いをしていたのに 今 気がついた。
彼女は、ユーリと同じ気持ちだったのだ。
奴隷商人に捕まっている同胞がいると言う情報を得たからこそ、黒髪のカラー……、彼女は、ヘルマン中を探していた。そのクリスタルの性質上、捕らえたとしても直ぐには殺されない。だから、何とし
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