第2.5章 出会いと再会は唐突に
第35話 またいずれ……
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て再び微笑んだ。自分もヘルマンに所属しているのだ。人間の国で暮らしているから人間の悪い部分は勿論良い部分だって知っている。
ユーリは人間の良い部分だ。間違いない。そんな人間がひとりでもいる事を彼女達が知ってくれて嬉しく思っていた。
「ユーリさんなら、里に迎えても良いんじゃないかな?」
「あ、わたしも賛成っ! ユーリさん、格好可愛いし! 私……欲しい!」
カラーの娘達何人かがそう言いあっている。信頼をしてくれたと言う意味では前半の言葉は嬉しいが後半の言葉はいらない。
「……コラ、聞こえてるぞ。誰が可愛いだ」
「あうっ……!」
「いたっ……!」
ユーリは軽くカラーの娘達にゲンコツをした。ユーリがつけているフードの理由は、彼女たちは知っている。……このおしゃべりが瞬く間に言ってしまったからだ。
「キシシ!」
「全く……ハンティは弱みや秘密を握られちゃ不味い相手だって事か」
「違う違う、面白い話は共有しないとって事」
「オレにとったら面白くない! ……どっかの誰かと同じような事を」
ハンティがからかっているのが判っていても……、ユーリはそういわずにはいられなかった。巧みに誘導されているようにも思える。これが歳の差と言う事だろう。
……どれだけ離れているか見当も付かないが。
「ユーリさんっ! また、カラーの村に着てくださいね? 貴方の遺伝子を後世に残したいです」
「おいおい……物凄く ドストレートな言い方だな……」
「キシシシ、ユーリ? 照れて色っぽい事ピンクな事を考えたって思うけど、そんな展開にはならないよ?」
「ん? どういうことだ?」
「カラーは基本的に人間と自分から交わる事は無い。処女受胎が多いんだ。つまり、村に迎えられて遺伝子を残してって事は……」
ハンティはニヤニヤと笑いながら。
「ただの精液奴隷になっちゃうって事。ああ、考えによっちゃ気持ち良い事してくれるから男にとっては天国かもね? ある意味。ユーリは大層気に入られてるみたいだから、サービスもしてくれるんじゃない?」
「んなの ぜぇぇぇったい嫌じゃ!!」
「わ、私達、そんな事は………」
「えっと〜……しませんよ? 多分」
「なんで、そこで言葉に詰まるんだよ!! それに、多分って何だ! オレは嫌だ! それにお前らは人間嫌いなんだよな? 村まで来ないから安心しろ! 直ぐに出てく」
ユーリはそう言うと、慌てて逃げるように引き返す。
ちょっとノリは入っているようだが、流石にそんな展開は望んでいない。ランスなら飛びつきそうだが……。あんな節操無しと一緒にされたら敵わない。
そんなユーリを見たカラーの娘達は残念そうにしていた。
「あう〜……こんなに優しい人間にあったの始めてなのに……」
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