第2.5章 出会いと再会は唐突に
第35話 またいずれ……
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「(あんたは……誰だ?ユーリ……なのか?)」
『……今は知らなくても良い。知らなくて良い事だ……いずれ時が来れば、全てが判る。世界の全てが。お前が心底怖がっている者達との戦いの果てに』
「(ッッ!!)」
ハンティは身体を震わせた。
なんで、この≪声≫の主はそこまで知っているんだろう? 自分の事を知ってると言う事は……。
「(あんたは……私と同じ……? あの時代の……)」
『お前は、存在してはいけない生き物なんかじゃない。いつの時代もお前を必要としているからこそ、あの一瞬も、そして、この瞬間を生きていられたんだ』
「(それでも……あのデカイ存在の前にはあたしは無力だ)」
『ふ……ふふ。そう思うのも無理はないな。それだけの事を経験しているのだからな……、だが、今は立ち止まらず進め。真っ直ぐに只管進め……時代の流れに身を任せて。いずれ終わりが来る。……そう、必ず』
「(そ、それは一体……!?)」
そう言われた瞬間。
「ッ!!!」
世界が突然再び動き出した。
ハンティは知らずうちに身体に相当力を入れていたようで、思わず前のめりに倒れてしまいそうだった。
「っと、大丈夫か? あの魔法は、そんなに魔力を使う魔法だったのか? 反動が来るのが遅い気もするが」
ユーリがハンティの身体を支えた。
その身体は、尋常じゃないくらい汗を掻いていたのだから、そう思っても仕方が無いだろう。
「い、いや……何でもない。何でも……」
ハンティは改めてユーリを見た。さっきの声の主、声色こそ彼のものではないが、この場で該当するのは目の前の彼しかいない。天から見ている者の可能性も否定できないが。
「あんたは……ユーリはいったい……」
「ん?」
ハンティがずっと顔を見て、視線を外さない事に気になったユーリは首を傾げた。
「どうしたんだ?」
「いや……」
ハンティは何も言わず、何も聞かずに押し黙った。時が来れば判ると言っていたんだ。
なら……待つとしよう。
これまで、悠久の時を生きてきた中で、今回の出来事が最も気になる事だが……。今は≪あの声≫の通りにただ、前に進むんだと思っていた。確かに、あの声の主とユーリは関係あると思う。この状況では関係ある可能性が高いだろう。だが、今の彼が、何かを隠しているようにも見えないんだ。
「むにゃ……あ……おはよう……おにいちゃん……」
その後、ヒトミは目を覚ました。
眠ってから、幻覚をかけられていた事はすっかりと忘れてしまっているようだ。
「まぁ、そんなに長くかけてないからね。展開的にR-18指定設定だったし?」
「そんなもんを子供に見せるんじゃないって!」
「ん〜〜……」
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