第2.5章 出会いと再会は唐突に
第35話 またいずれ……
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それくらいなら全然問題ないけど、別にあたしじゃなくても良くない? 魔法使いになれてるって言ってたし」
ハンティは首を傾げていた。
ユーリはLv3の使い手と言う事で聞いてきたのだと思っていたのだが、今上げた魔法は別にそこまで難易度が高い魔法じゃない。Lv1高くてLv2はあれば大丈夫だと思えるのだから。だが、当然ながらユーリには、理由がある。
「いや……、やはり 魔法だって、本人の基本性能に依存するからな」
「そりゃそうだ。良いよ。あ〜、でもさ この2つの魔法は、基本的に相手がいないと、実演って意味じゃ出来ないよ」
「……そうだったな。ヒトミちょっと良いか?」
ユーリが、ヒトミを呼んだと同時に、ヒトミは、びくっ! と身体を震わせていた。
「ぅえ!? お、お兄ちゃん、私を実験台にするつもりなんだっ!?!?」
そう思ってしまうのも、無理はないだろう。ユーリは見たいから、受けたりはしないだろうから。ユーリは、軽く笑った。
「そこまであからさまに引かないでくれ……、これは 眠りの魔法だ。カラーの森までまだ 先は長いし眠っていた方が良いだろう? ヒトミは、頑張ってくれたんだからな」
ユーリは、笑いながらそう言うと、ヒトミの頭を撫でた。
「むぅ〜……ほんと? お兄ちゃんって女誑しだし! ああ、判ったっ! きっと、私の身体が目当てな“ぽかっ!”あぅっ」
「だからマセ過ぎだ。……でも、嫌なんだったら別に強制はしないよ」
「えへへ〜、じょーだんだよ。だって、私、お兄ちゃんの事信じてるもん」
ヒトミはそう言うと、ハンティの前にちょこんと座った。いつでも良いようだ。
「それじゃ、いくね」
「うん。あ、あと幻覚魔法だって 使ってくれても良いけど、怖いのは止めてね……?」
「判ってる判ってる。それに、そんなのしたら、ちびっちゃうよね?」
「ぶ〜〜〜ハンティお姉ちゃんのイジワル……」
「キシシシ……、冗談冗談。それじゃ、良い夢を……“スリープ”」
「あ……ん……zzz」
ハンティが手を翳してそう唱えると、ヒトミは瞬く間に瞼を閉じて意識を失っていた。かなり深い眠りに入ったのは見て判った。ユーリはぐらりと揺れて倒れこむヒトミを支えて、自分の膝に頭を置いた。丁度膝枕の要領に。
「そんでもって……、『げ〜ん〜か〜く〜……みえ〜る〜かん〜じ〜る〜』」
ハンティは、眠っているヒトミのおデコに手を当てた。すると……穏やかに眠っていた筈のヒトミの表情が徐々に変わっていく。
「ふ……ふふ〜……おに……ちゃん……zzz」
「オレの幻覚を頭の中にか?」
「ああ、そうだよ。こうなったら夢を見せる魔法みたいだけど、こんな風な使い方もできるってね。おチビ……ヒトミには特別サービスしてあげた」
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