マブラヴ
1080話
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ると……ビルの言っている事は本当か? だが、それこそ国務長官が大統領の了解も得ないままに、あんな派手な真似をするというのは信じられない。
いや、あんな真似をする以上は国務長官だけで出来る筈もない。他にも当然協力者がいる筈だ。
つまり、それらの人物全てにビルは裏切られた、と?
俺が知っている限り、ビルは政治家として決して無能ではない。いや、かなり有能であると言ってもいいだろう。
でなければ、幾らアメリカがマブラヴ世界で最大の国力を持っている国であったとしても、大統領になる事は不可能だ。
事実、当初は何かとシャドウミラーに対してちょっかいを出してきたアメリカだったが、俺達の実力がどれ程のものなのかを理解するにつれて、態度を軟化させていった。
更には多分にパフォーマンス的な意味もあったのだろうが、俺達が国連の会議に参加する為にアメリカに行った時には直接本人が出迎えもした。
この世界で最大の国力を持つアメリカの大統領が、10人程度で国と名乗っている俺達に対してあそこまで丁重に接するというのは、無能な大統領では出来ない筈だ。
無能な場合、いっそ俺達を捕縛するなり基地を占拠しようとして戦争になっていた可能性すらもある。
……そう。己の身の程を知らずにホワイトスターを占拠しようとし、結局は国を滅ぼされて史上最も無能な皇帝として未来永劫語り継がれるだろう門世界のモルトのように。
そんな事にならず、最初は敵対気味であってもすぐに友好姿勢を打ち出し、最終的にはMSすらも譲渡される関係になった。
その辺を考えると、ビルは間違いなく有能な大統領だと断言してもいい。
だと言うのに……
「そう怒鳴るな。大体、何だって国務長官が大統領を無視してこんな行動に出るんだ?」
『正直、その辺がよく分からない。何を思っての行動なのか……』
「そもそも、だ。演説で言っていたソ連の行動だっていう証拠も色々と怪しいぞ?」
『何? どういう事だ? その件についても嘘なのか?』
驚きと……微妙な焦り、か? まぁ、今回の件では散々なビルが唯一得た利益だったのだから、それが実は嘘、出鱈目でしたとなれば、この態度もしょうがないか。
恐らくだが、ビルとしてはソ連と恭順派が繋がっている証拠を公にせず、裏からソ連との交渉で使うつもりだったのだろう。
ソ連は以前よりも明らかに国力が減っているが、それでもまだ戦術機を独自開発するだけの技術力を持っており、未だ大国と呼んでも差し支えない。
そんな国だけに、色々と交渉する内容とかはあるんだろう。
「そうだ。俺達は恭順派のアジトからコンピュータを幾つか確保している。勿論あの爆発だったから色々と壊れていたりはしたが、それでも修復するのは難しくない」
まぁ、全部技術班任せなんだけど、その辺は
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