第158話 蔡瑁討伐前哨戦
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ようと、最終的には襄陽城戦で蔡一族を族滅するから同じことということですね」
朱里が正宗に行った。
「できれば蔡一族は見逃さず拘束して処刑すべきだが、襄陽城の兵糧を削るにはある程度の難民を作る必要が有る」
「襄陽城に向わせるには正宗様の軍が村人も容赦無く虐殺する印象を与えなければならない。しかし、無条件に虐殺では逃げ出さず徹底抗戦をされる恐れがあるため、敢えて逃げ道を作り逃げる分には追わないということで相手に余裕を与える。見事なお考えと存じます」
伊斗香は正宗の考えを補足するように話した。
「それに加え蔡一族は一人も生かして許すことはないと示さなければならない。そのための一戦だ」
正宗の考えに同意するように伊斗香と朱里と桂花は皆頷いた。
「今回は初戦ということで村人達は恐怖からあまり逃げていない。この様子なら蔡一族は村の中であろう。都合がいい。次攻める村は逃げた村人から情報を得て、事前に襄陽城へ逃げようとするかもしれんから網を貼るつもりだ。伊斗香、紫苑、秋佳。次からはそれぞれ数十程の歩兵を率い村の包囲を解いた場所に潜伏し蔡一族と思われる者達を拘束して欲しい。頼めるか?」
正宗は神妙な表情で伊斗香と紫苑と秋佳を順に見た。三名は蔡一族と交流があり、蔡一族を拘束する役目に適役であると考えての人選と言えた。三名は正宗に対して拱手して答えた。
「正宗様、では私が任に就いている間、兵をお預かりいただけますでしょうか?」
伊斗香が正宗に頼むと正宗は頷く。
「伊斗香、お前の兵は私が預かろう。三名とも重要な任となる。頼んだぞ」
正宗が家臣達と話していると伝令の兵が駆け足で本陣に現れ、片膝を着き正宗に拱手した。
「終わったか?」
「蔡一族と村人の殲滅完了いたしました。村長らしき者とその家族も拘束済みでございます」
「逃げた村人達はどの程度だ?」
「昨晩の内に逃亡した者と合わせると二割程かと」
「そうか」
正宗は短く言った。
「拘束した者達をこの場に連れてこい」
伝令の兵は正宗に拱手して短く返事すると足早に去っていった。その一刻(十五分)後、肥満体の中年男と中年女、それに幼女が兵達に連行されて正宗の前で無理矢理跪まづかされた。中年男は雑兵に乱暴に扱われることが不満なのか苛立ちを隠さなかった。対して中年女は体を震わせていた。幼女に至っては泣き出していた。正宗は良心が痛むのか一瞬表情を曇らせた。
「伊斗香、紫苑、秋佳。この者達に見覚えがあるか?」
正宗は気分を取り戻すと三名に視線を向けた。その時である。中年男が顔を上げ三名を睨みつけて罵声を浴びせた。
「裏切り者が――! 殺してやる! 殺してやるぞ!」
中年男は三名の顔を見知っているのか目を血走
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