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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第8話 すれ違い
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ないと髪が痛んじゃうよ、せっかく綺麗な銀髪なんだからもっと気にしないと」
「リィンはわたしの髪、綺麗だと思う?」
「うん、とても綺麗だと思うよ」
「……ならこれからはもっと手入れに気をつける」
「それがいいよ」


 おっと、どうやらまだ身だしなみを整えている途中か、もしかするとリィンとフィーはいっしょにシャワーを浴びたのか?…まあ兄妹なら普通なのか?
 しかし本当に仲の良い兄妹なのだな、フィーは嫌がる素振りも見せずにリィンに身を任せておりリィンもフィーの髪を丁寧に拭いている。


「それにしても意外だった、リィンって戦うのは嫌ってると思ってた」
「……そうだね、今日みたいな仕合ならともかく命をかけた殺し合いは好きじゃない」


 殺し合い……?私はリィンの言葉に耳を疑った。まさか命の掛け合いもしていたのか、私と同じ年で……


「でも戦わなくちゃ何も守れない、大切な人を守るために僕は剣を手にしたんだ」
「リィン……」


ギュッ


 その時フィーがリィンの頭をそっと抱きしめた。まるで壊れ物を扱うように優しく包み込むように……


「フィー……?」
「わたしはリィンみたいに戦うことは出来ない、でも少しでもリィンの支えになりたい。だからリィンもわたしに甘えてほしい…頼ってほしいの」
「フィー、ありがとう」


 リィンはフィーの手を握りフィーも微笑みながらリィンを撫でる。


 うむむ、何やら入りにくい雰囲気だ。ここは一旦時間を空けるか、私は部屋を後にしようと……






 


 

「本当に頼ってよ?『猟兵』の仕事は危険だから、貴方に何かあったらわたしは壊れちゃうから……」

 








 



 ……えっ?今フィーは何と言ったのだ?『猟兵』……リィンとフィーが?どういう事なのだ?


 ガタンッ!


「あれ、今何か音が……ラウラ!?」
「……ッ!」


 しまった、動揺して音を立ててしまった……!


「ラウラ、もしかして今の話を聞いていたのか?」
「すまない、立ち聞きなどして……だがどういうことなのだ、リィン。そなたは猟兵なのか?」


 嘘であってほしい、さっきのは私の聞き間違い……違うと言ってくれ、リィン!












「…………ごめんラウラ、僕は猟兵なんだ」








 !?……そんな……リィンが猟兵……私がもっとも嫌う猟兵だと……!



「そなた、そなた達は私を騙していたのか……?」
「いや、それは違……」
「何が違うのだ!そなたは私に自分は旅人だと言ったではないか!」
「……っ」



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