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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第8話 すれ違い
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くれます?私はお姉さまの強さをよく理解しています、だからお姉さまと互角に戦ったあの殿方の実力は本物ですわ……認めたくはありませんが」


 ……何だか意外、けっこう素直なんだね。


「……それに」
「それに?」
「お姉さまは真剣勝負を大切になさるお方、そのお姉さまと全力で戦った方を私が貶したりなんてしたらお姉さまの事を汚すことにもなりますわ」
「昨日は言ってたのに?」
「あくまでお姉さまが戦った時の場合ですわ、それ以外に興味なんてありませんもの」
「……ふふっ」
「むっ、何が可笑しいのですか?」
「違う、貴方をバカにしたわけじゃない。ただ素直じゃないなと思って……それって遠まわしにリィンを認めたってことでしょ?」
「は、はぁ!?何を言ってますの!」


 だって結局はラウラと互角に戦える人=実力あると認めた、って事でしょ?なんだ、クロエって恥ずかしがり屋なんだ。


「バカな事を言わないで下さいますか!……ってその笑みを止めなさい!」
「ふふっ、ごめんね」


 クスクスと笑うわたしを見てクロエが起こるが、そんなクロエを見てわたしは更におかしくなって笑ってしまう。


「あれ、あの二人いつの間に仲良くなってるぞ?」
「仲のいいという事は良きことだな、うむ」
「あらあら、クロエったら楽しそうですね」
「本当ですね」



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side:ラウラ


「久しぶりに良い仕合が出来た」


 仕合後私は汗を流すためにシャワーを浴びていた。リィンにも別室でシャワーを使ってもらっている。私はとても満足している、あのように満ち足りた仕合は生まれて初めてだった。


「父上は共に切磋琢磨できる好敵手がいれば更に強くなれるといっていた。リィンなら私の好敵手となってくれるだろうか」


 リィンの事は気に入っている、妹を大切にする優しい少年、それがリィンに対する私のイメージだ。フィーも兄を大切に思いやるいい妹だと思う。クロエとも打ち解けたようで何よりだ。


「そろそろ上がるか、客人を待たせるのは失礼だからな」


 私はシャワーを止めた。



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ーーー


「リィンとフィーはどこにいるのだろうか、待たせてしまったか?」


 私は二人を探して屋敷を歩いていた、使用人に聞いた所どうやらリィンとフィーは客室にいるらしい、使用人に礼を言って私は客室に向かった。暫く歩いているとリィンの声が聞こえてきた。


「ふむ、ここにいたのか」


 私はノックして中に入ろうとしたが……


「ん、くすぐったい」
「駄目だよフィー、ちゃんと髪を乾かさ
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