第8話 すれ違い
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備をする、既に二人は戦闘の構えに入っていた。
「ん……それでは、仕合……開始」
わたしの掛け声と共にリィンが動きラウラの懐に潜り込み刀を振るった、でもラウラはそれを両手剣で弾き左からの斬撃をリィンに放つ。
「なんのッ!」
リィンは斬撃を後ろにステップしてかわした。
「はああッ!」
今度はラウラがリィンに攻め込む。右、左、下と様々な方向から斬撃を放つ、速度だけなら昨日見たフリッツっていう人より早いかも知れない。
「どうしたリィン、そなたの力はそんなものか!」
「まだまだこれからだよ」
ラウラの攻撃をかわしながらリィンも反撃する。
「鉄砕刃!」
ラウラが飛び上がり上空から重い一撃を放つ。
「時雨!」
リィンはラウラから距離を取り素早い突きを放つ。
キィンッ、ガキィンッ、カァンッ!
金属のぶつかり合う音が練武場に響き渡る。
リィンとラウラは一歩も引かず剣を打ち合わせる、力ではラウラが勝っており鍔迫り合いや打ち合いではラウラの優勢だが速さではリィンが勝っておりラウラの攻撃後の隙をついて背後に回ったり速さでかく乱した戦法で戦っている、二人とも戦闘スタイルは全くの正反対で中々決着がつかない。
「やるなリィン、そろそろ決着をつけようじゃないか!」
「なら僕が出せる最高の技で勝負だ!」
リィンとラウラが静かに剣を構える、リィンは居合いの構えを取りラウラは両手で剣を構える。
「ゆくぞ、奥義、洸刃乱舞!!」
「はぁぁぁ!焔の太刀!!」
ラウラの両手剣が光を放ち渾身の一撃が放たれた、対するリィンも刀に炎を纏わせた一撃を放った。
ガァァァァァァンッ!!!
二人の攻撃がぶつかり合い凄まじい衝撃が走る、どっちが勝ったの?
わたしが目を開けるとリィンとラウラはそれぞれの武器を落としていた。
「……どうやらこの勝負」
「引き分け……みたいだね」
二人の勝負は引き分けに終わった、どうやら技がぶつかった時の衝撃でお互い武器を落としてしまったようだ。
「とてもいい勝負でしたわ」
「お姉さまが勝つと思っていましたがあの殿方、本当にお強いのですね」
シンディやセリアも二人の仕合に賞賛を送っている、でもクロエはきっとリィンを批判するんだろうな。わたしはそう思ってチラッとクロエを見るが……
「………」
あれ、昨日はまぐれとか言っていたのに今日は何も言わないなんて変なの。
「どうしたの、昨日みたいに何か言わないの?」
わたしはつい意地悪な質問をしてしまった。
「バカにしないで
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