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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第8話 すれ違い
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そうな表情を浮かべていた。


「昨日この街の領主が帰ってきたらしいわ。レグラムの領主はあの『光の剣匠』よ、リィンとフィーの顔が知れてないとはいえ心配だわ」
「ん〜そうか……」


 光の剣匠か、個人的にはけっこう興味があるんだがな。


「もう貴方らしくないわね、二人が心配じゃないの?」
「心配してない訳じゃないけどよ、まあ案外バレても大丈夫じゃないか?」
「どうしてそう言えるの?」
「……まあ勘だよ」





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side:ラウラ


「ふふっ♪」


 剣の手入れをしながら私はリィンとフィーが来るのを心待ちにしながら待っていた。
 昨日見たリィンの剣技……未知の剣術に私の剣が通用するのかどうか今から楽しみだ。するとじいが部屋に入ってくる。


「失礼いたしますお嬢様、リィン様とフィー様が練武場にお見えになられました」


 おお、来てくれたか!私は早足で練武場に向かった。




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「リィン、フィー、よく来てくれた」
「あ、ラウラ、昨日の約束通り仕合しに来たよ」
「やっほー、ラウラ。」


 私はリィンとフィーに挨拶をする。しかし本当に仲が良いのだな、今も手を繋いでいる。私は一人っ子だから兄妹の関係は少し羨ましく思う。


「それでリィン、まずはアルゼイド流の基本である素振りから始めないか?」
「そうだね、軽くウォーミングアップしたいと思っていたんだ」
「よし、では素振り1000回始めるぞ!」
「おおっ……って1000回!?」


 そして私とリィンは素振りを始めた。しかしこうやって年の近い者と剣を振るのは初めてだな。門下生の皆は年の離れた兄のようなものだった、だからリィンと共に剣を振るのは新鮮だ。


「ふふっ、こういうのもいいな」




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side:フィー


「ふふっこういうのもいいな」


 リィンとラウラ、何だか楽しそう…


 チクッ……


 ……まただ、リィンがわたし以外の女の子と楽しそうにしてるのを見てると胸が痛くなってくる…まるで自分の腕に針をチクチク刺されてるみたい。
 今日の朝も本当は眠かった、いつもなら眠いときは動きたくないのに、リィンがラウラと二人っきりで会うのが嫌だった。
 わたし、どうしたんだろう。モヤモヤする、こんな気持ちは初めてだ。


「リィンのバカ……」


 わたしがそんなことを考えていたら練武場に誰かが入ってきた、あの三人は昨日リィンに敵意を出していた子達だ。

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