第2.5章 出会いと再会は唐突に
第34話 赤と青の輝き
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情でそう答えるアニス。
それ程、自分の事を好いてくれている。ユーリは、そう思ったら少しばかり顔が赤くなりそうになっていた。幾ら、色んな意味で、滅茶苦茶なヤツだとしても、だ。
「(うーむ……。こんなに好かれた事これまでに無かったんだがな)」
ユーリは、そう思っていた。
……そのセリフを実際に他のメンバーに聞かれたら地獄を見るということを知らずに……、と言うか、袋叩きに合うユーリの姿が目に浮かぶようだったのだ。
その後、暫くは黙っていたユーリだったが、とりあえず頭を一回強く振ると、アニスに軽くチョップをした。
「あうっ!」
「なんで、『可能性が高い』なんだよ。オレに、100%同意なんか得られて無いだろう。アニスの魔法で、オレには自我がなかったんだからな」
ユーリはそう言うと、ため息をひとつして、今度は丁度頭を下げているアニスの頭を撫でた。
「でもま、そこまで思ってくれてるのは、言ってくれたのは、初めての経験だ。お前さんの場合は天然が入ってるとは思うんだが、とりあえず礼を言っておくよ」
「わわ、ユーリさんからお礼を!! 千鶴子様! アニスは もう、何も思い残すことなどありません!!」
「別に残さなくていいから、安全に帰るわよ!! 気を抜いて魔法なんか暴走させないでよ!」
千鶴子は、そう言うと帰り支度を本格的に始めていた。
そして、準備が整うにつれて、アニスは涙ぐんでいた。
「ぅぅ〜ユーリさぁん……」
「んな悲しそうな目で見るなって。これは今生の別れか? もう二度と会えないのかっての……」
ユーリはそう言うと軽く笑う。
「また、仕事でゼスに行くかもしれないからな。その時は、時間が合ったら寄らせてもらうよ」
「ほ、本当ですかっ!」
「ああ、だから アニスはもうちょっと、周りの迷惑を考えて行動をしろよ? あまり、千鶴子さんにも迷惑を掛けない事。良いか?」
「はいです! アニス、今日から良いコになりますっ!!」
「いつまで続くか、わからんが、頑張れ」
敬礼をしながら、走り回るアニス。ユーリの言葉どおり、いつまで続くか判らないが、平和に過ごしていてもらいたいものだ。
ヒトミとも遊んでくれているようだ。……どちらかといえば、アニスが遊んでもらっているように見えるが。
「ああ……、本当にユーリさんがゼスへ来ていただければ、こんなに苦労しなくてすむんですが……」
「……良い性格してるな? 厄介をオレに全部押し付ける気かよ……。無茶言うな。過労死するわ!」
「大丈夫ですよ。私、生きてます」
「……スゴク説得力はあるが、勘弁してくれ!」
ユーリは千鶴子の強さも底がしれないと思えてきた。
何せ、アニスの監視・管理役なのだか
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