第2.5章 出会いと再会は唐突に
第33話 最強!最凶?最狂??
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ぁぁ!! アニス!! だから、てきとーな事を言うな!」
「えー! ほんとの事ですー!!」
アニスは真剣な表情を崩さなかった。そして、ユーリは思い出す。この話をする時の アニスの顔は、いつになく、真剣だった事を。それは、何処か抜けている様な顔じゃない。
そして、何処か赤く頬を染めていた。そんな姿を見たら、もう嘘だと思えなくなってしまう。
「アニス。……オレには、全く身に覚えが無いんだぞ? なんでだ?」
「酷いですよー……って、言いたいのですが」
アニスは、最初の真剣味は、影を潜め、……段々表情が強張っていく。
例えるならば、何か悪さをして叱られる前の子供の表情だろう。
「アニス、別の魔法を色々と試したくなりまして〜。それで、ユーリさんにも見ていただこうとしたじゃないですか」
「ん……、ああ、確かそんな事あったな。あの迷宮を出て、軽く飯を食べに言った時か?」
「はいです。その時に、間違いなく、ユーリさんに、攻撃付与の魔法を使ったのですが……、何を間違えたのか、《恋人ナール》と言う魔法を発動させてしまいまして。アニスが覚えている魔法じゃないんですが」
「………」
アニスの言葉に固まってしまうユーリ。
つまり、真相はこうだ。
迷宮での共闘やらなんやらで大分懐かれてしまっていた状況だった事は間違いない。そんな時にアニスの無茶苦茶な攻撃魔法は知っていたから、補助魔法であれば問題ないだろうと覚える練習を付き合っていたのはうろ覚えだが確かに覚えていた。そこで、なんでそんなのが発動したのかわからないがまったく関係無い魔法が発動したようだ。あろう事か自分に向かって。
「アニス、それで一日を楽しく過ごしたですよー! それは、勿論 夜の営みも……きゃっ」
「きゃっ……! じゃないわ!! 何だそれ! 聞いてないぞ!」
「アニスだけの秘密だったんです〜! ああ、もう秘密じゃなくなってます!!」
「そりゃそうだろうな! 今正に暴露したんだからな!」
ぎゃーす! と怒っているユーリと、しょぼくれているアニス。
これで合点がいった。
その類の魔法は本人外の人格が宿ると言っていい魔法の為記憶もまるで残らないのだ。故にユーリが覚えている筈も無い。
すっぽりと抜け落ちていると言う事だったのだ。
「……それじゃ、強姦みたいなもんじゃない。魔法で狂わせるなんて流石はアニスといえばそうだけど……こんな事じゃないかって思ってたわ」
動揺しまくっていた千鶴子はいつの間にか平静に戻れていたようだ。だが、そんな風にいっても説得力はまるで無いのである。
「あ、はは……人間の恋って大変。なのかなぁ……?」
ヒトミはそんな彼女達を見て苦笑いをしていた。
そして……そのアニス
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