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SAO ??TS少女のデスゲーム攻略
第3話
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アインクラッド、それが、『ソードアート・オンライン』の舞台となっている浮遊城の名である。それは百の層が薄く積み重なって出来ており、それぞれの層に拠点の街や、次の層へ進む為の迷宮などがある。その浮遊城の最下層、つまり第1層でのお話。

場所は日が沈み切った夜の森。1人の少年が、大勢の敵を相手に片手に持った剣を振るって戦っていた。森は決して真っ暗というわけではなく、薄青い光によって視界ははっきりしている。そんな状況で見る夜の空は、これが中々良いものなのだ。だが生憎と、この少年にそんなことを気にする余裕など存在しなかった。
少年が戦っている相手は人間ではない。それの名をリトルネペントといい、見た目は植物に近いのだが、根っこを足のように使って動き、葉を生やした蔓で攻撃をしてくる、奇妙な生物である。存在しない目、その気になれば人をも丸呑みしてしまいそうな大きな口。そこから粘液を垂らしながら迫ってくる様は、背景の夜の森も相まって、より一層不気味さを醸し出している。

当然、こんな生物は現実世界には存在しない。この世界は現実世界などではない。ここ、この世界はいわばゲームの中の世界だ。

少年の前にいるリトルネペントも、少年達を囲んでいる木々も、その他全てのオブジェクトも、そして少年の体すら、全てがゼロとイチで構築されたデータの存在だ。そして、このゲームのジャンルはMMORPG。リトルペネントはRPGでいうところの敵モンスターである。

その数は十体、否、それ以上か、どちらにせよ、少年一人では到底倒せぬ程である。そしてそれを、少年自身よく理解している。これがもし唯のゲームなら少年も大人しく諦めて、ああ負けた残念だったとなり言いながら苦笑いを浮かべて始まりの街から出直す事だろう。――つまり、これは唯のゲームでは無いのだ。

諦めるわけにはいかない。これは唯のゲームでは無い。諦めた瞬間、少年は命を落とす。死ぬのだ。このゲームで、という意味ではない。現実世界――リトルネペントなどといった生物はいない、少年も剣など振るっていない世界。家があって家族がいて友人――は残念ながら居なかったが、そんな平和、少なくとも表面的には平和な世界に暮らしてきた筈の少年の命が、ゲームオーバーになったからという馬鹿げた理由で消えてしまうのだ。

ゲームオーバー、イコール、死。つまり、デスゲーム。それが、この世界の創立者、茅場晶彦によって提示されたルール。

それは正しく、もう一つの現実。日本とは全く別の異世界に、自分は来たのだ。

「糞っ!」

少年は悪態をついた。それは無意識、思わず口から出て悪態であったが、それが引き金となったかのように、苛立ちや怒りといった負の感情が自分の内側からふつふつと湧き出すのを感じた。糞、糞、糞。この感情は何だ。この状
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