妖精女王と水竜
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・・・Sクラス?』
シリルは偶然Sクラスのモンスターの近くにいたのだが、足元にいるそれをじっと見つめている。見つめられる一つ目さんは身構えるようにシリルを睨んでいる。
『シリル、お前も本気でいけ』
『え?こんなのにですか?』
エルザさんに注意されたシリルはSクラスのモンスターを指さしてそう返す。一つ目さんから何かを感じ取っているエルザさんと完全に警戒心を解いているシリル。この正反対の2人、果たしてどっちが正解なのか・・・
カッ
すると一つ目さんは半分しか開いていなかった目を大きく開く。するとその可愛らしかった小さな体がみるみる変化していく。
『げっ!?』
『来い』
自分より大きくなっていくモンスターに青ざめるシリルと戦闘体勢に入るエルザさん。魔力も限界に近い2人の前に最後の砦が立ちふさがる。
「だから無理だといったんですよ!!Sクラスのモンスターが最後の1体となった時、パワーが3倍になるように設定されているんですよねカボ」
魔水晶ビジョンを見ながらそう言うマトー君。その近くにいる競技参加者たちもじっとビジョンに視線を向けている。
『さぁ!!『伏魔殿』ラストの1体!!しかし、なんと気づけばバトルは決戦場に移動しており・・・』
魔水晶ビジョンに映された円形の闘技場、そこでは先のAクラスのモンスターさえも凌ぐほどの大きさに変化したSクラスのモンスターがエルザさんと水天竜モードに変身しているシリルを押し潰そうとしていた。
『巨大化したSクラスのモンスターがエルザとシリルに襲いかかる!!』
『ぐっ!!』
『がっ!!』
エルザさんとシリルは反撃しようとしたのだが、Sクラスのモンスターに軽く受け止められ、決戦場の真ん中に蹴り入れられる。
『こんな仕掛けまで設定されているとはねぇ』
『思わぬ伏兵・・・なるほど、伏魔殿という名にふさわしいですね』
解説のヤジマさん、ゲストのラハールさんがそう言う。
「いっけぇ!!そんなデカブツ、エルザとシリルの敵じゃねぇ!!」
ナツさんが2人に声援を送る。その声が聞こえたのか、2人を蹴り上げようとするSクラスのモンスターの足をシリルが受け止める。
『だぁぁぁ!!』
シリルはその足をつかんだまま力一杯モンスターの足を押し返す。
『ハァッ!!』
シリルに押し返され、バランスの崩れたモンスターにあまりの戦いに刃こぼれしている2本の刀を持ったエルザさんが剣を振るう。
「え?」
バラバラになるモンスターの手。何が起きたのかわからないマトー君は呆然としている。
Sクラス
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