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第一章
ペナルティ
仙一と幸一はです。ついついです。
クラスにあったお花を入れた壺にボールをぶつけてしまいました。
クラスの中でボールを投げていたことが間違いでした。ボールは壺にぶつかってです。
呆気なく割れてしまいました。それを見てです。
二人は真っ青になってです。こう言い合うのでした。
「ど、どうしよう」
「どうしようって割れたし」
「ええと、元に戻るかな」
仙一はこう言いました。
「この壺」
「元に戻るって?」
「そう、戻るかな」
こう幸一に言うのです。
「何とかしたら」
「いや、そんなの無理だよ」
幸一はその仙一に言いました。
「だって割れたんだよ」
「糊でくっつくかな」
「糊でくっつくのは紙だけだよ」
「じゃあ接着剤は?」
仙一は今度はこれをお話に出しました。
「それを使ったら」
「接着剤って」
「そう、瞬間接着剤ならどうかな」
必死の顔で幸一に言います。その割れた壺を下に見ながら。
壺は粉々になっていて花が落ちています。その下には水も落ちています。
そうしたものを見てです。仙一は言うのです。
「僕今持ってるよ」
「じゃあちょっとやってみる?」
幸一もです。仙一の言葉を受けてでした。
そうしてみようとです。彼に言いました。
「僕も同罪だしね」
「うん、だからね」
こうしてです。二人はです。壺の破片を集めてです。
壺と床の水も拭いてからです。それからです。
壺を瞬間接着剤でくっつけてみました。細かい破片も一杯ありましたし瞬間接着剤が指についたりもしました。
けれどそれでも何とかでした。二人は。
壺をくっつけました。そしてその壷を見て言いました。
「これでどうかな」
「そうだね。どうもね」
ここで、です。幸一はです。
その壺を見てです。こう言いました。
「まずいね」
「あっ、そうだね」
確かにです。仙一も気付きました。
見れば壺にはヒビがあります。それもはっきりとです。それを見てです。
仙一はです。苦い顔で言いました。
「これじゃあね。お水を入れても」
「ヒビから出るかも知れないよ」
「それに割れた後が」
もうはっきりとわかっているというのです。
「これじゃあ」
「僕達が割ったって丸わかりじゃない」
「そうだね。どうしようか」
「今は放課後だけれど」
それでもだとです。幸一は今度はこのことを言うのでした。
「それこそ。明日になったら」
「先生も来るし」
「すぐにわかるよ」
「僕達が割ったって」
「うん、隠しても先生そうしたことには鋭いから」
だからだというのです。幸一の言葉はかなり切実です。
「簡単にわかっちゃう
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