マブラヴ
1079話
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にあやかが言葉を続ける。
「アクセル君がソ連を好んでいないというのは、アメリカも既に承知している筈です。その理由がどちらにあるかというものや、あるいはそれが真実かどうかというのはこの際関係ありませんわ。外から見た時にどう見えるか。それが問題なのです。そしてアメリカは私達に対して恩を売れるという大義名分を得た。……考えてみれば、恭順派の本拠地に対する襲撃に関しても、シャドウミラーが戦力を派遣するのを認めたのも、この為の下地だったのかもしれませんわね」
ソ連を嫌っているか。
確かにそれは事実だ。というか、明確な証拠こそ掴ませていないが、今まで散々裏で動かれたんだ。状況証拠でしかないが、ソ連は限りなく黒に近い灰色なのは間違いない。
そんな相手に好意を抱けるか? 答えは否だろう。
だが……だからといって、好き嫌いで国同士の関係を決める程に幼稚な訳でもない。
現にBETAの死骸に対する取り引きはきちんと行っているし、寧ろそちらの取引量に関して言えばマブラヴ世界の中でも多い方だ。
……まぁ、国の中にハイヴを幾つも持っていれば、それだけ死骸を入手するのも難しくはないんだろうが。
それに俺がソ連に対して不信感を抱いているというのは、日本、オーストラリア、アメリカ、中東連合、アフリカ連合、イギリスにMSを提供しているにも関わらず、ソ連に対しては提供していないのを見れば明らかだろう。
それを承知の上で、更に俺達を敵対視している恭順派に対して援助している?
考えられるかどうかと言えば、考えられなくもないが……
微妙な感じがしつつも、再び映像を再生する。
『アメリカとして、ソ連に対しては今回の件に関しての釈明を要求している。だが、ソ連からはそんな事実は一切ないとしか言ってきていない。明確な証拠があるにも関わらずだ! これは、最早世界全体に対する裏切りでしかない! いや、シャドウミラーが協力しているのも思えば、これはシャドウミラーに対しての敵対意識を剥き出しにしているとすらも言えるだろう!』
どうにかして俺達を巻き込もうとしているように思えるな。
実際、ソ連が俺達に対して思うところがあるのは事実なんだが。
『よって、アメリカは国連でソ連に対する非難決議を行おうと思う。無論拒否権を持っているソ連がいるのだから、否決されるだろう。だが……それでも、ソ連に対しての不信を明らかにする事が必要なのだ! また、ここまでしても尚ソ連が自らの非を認めるような事がない場合、それは武力衝突にすら発展するかもしれない。だが、それに関する全責任は全てソ連にあると明言しておく! ソ連の賢明なる判断を希望する』
その言葉を最後に、演説をしていた国務長官ベンの映像は終わる。
「……これって、もしかしてもしかしなくても、俺達がア
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