2部分:第二章
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第二章
「こんなに奇麗なら」
「どう?今は雪をどう思うの?」
「大好き」
そうなったというのです。
「何か見ているだけで幸せになれそう」
「そう。じゃあ雪はもう嫌いじゃないわね」
「うん、好きになったよ」
こう笑顔で返す仁美でした。そうしてです。
仁美はこの日から雪、そして冬が大好きになりました。それでなのです。
雪の結晶を自分でも造りたくなってです。お母さんにこう尋ねたのです。
「自分で。私で雪の結晶造ることできるの?」
「あれを?」
「そう。あの結晶造られるの?」
「ええ、できるわよ」
それはできるとです。お母さんは笑顔で答えます。
「仁美ちゃんもね。それはできるのよ」
「そうなの。じゃあ私も雪を降らせられるの?」
「降らせるんじゃなくてね」
それはできないとです。お母さんもそれは断ります。ですが。
「造ることはできるのよ」
「ううんと。それってどういうことなの?」
「仁美ちゃんは雪のあの結晶を造りたいのよね」
「うん、そうなの」
降らせるよりも造りたいと思ったのです。あのとても奇麗な結晶を。
お母さんもそのことはわかっています。それで言うのでした。
「それはできるから。今から紙を切ってね」
「紙を?」
「そう。お母さんと一緒に色紙を鋏で切ってね」
「それで雪の結晶を造るの?」
「そうよ。そうする?」
「うん、私雪の結晶が大好きだから」
それで造りたいことはです。仁美はどうしても思うのでした。
それで、です。そのうえでなのでした。
お母さんにです。はっきりと答えたのです。
「だから造りたいの。色紙で結晶が造られるんだったら」
「わかったわ。じゃあこれからお母さんの言う通りに。やってみるままに色紙を切ってね」
「そうすれば私が結晶を造られるのね」
「ええ、そうよ。じゃあ二人でね」
こうしてでした。お母さんは色紙と鋏、それに透明テープを出してきてです。それで仁美の前で色紙を鋏で丁寧に切っていきます。仁美もお母さんの切っているやり方をそのまま真似てです。
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