放浪剣士
異端審問官W
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く。
彼女の力を手にいれるために私を利用したのだ。
「本当は、その力を使う所を見たかったのだが。こうして現れてくれただけで良しとしよう」
誘き出すために私を利用したのか―――。
「その通りだ。ただ、そこの魔術師をお前が倒してしまうのは予想外だったが」
見くびられたものだ。
私を餌に、彼女がロベールと闘いこの力を使う所を見たかったのだろう。
「あなた自身で力を試してみたら?」
アーシェの目が座り、オーブの光が増し始める。
どうやら、免罪符を受けとる気はさらさら無いようだ。
「この身で試すには危険すぎる力だ」
そう言って剣を抜くと、ベルモンドは周りのオーブを斬り払う。
「本気で殺しに来られたら、の話だがな」
あの魔術を破られた事に彼女が驚く様子はない。
どうやら、奴の言う通りアーシェ本気で殺そうとはしていなかったらしい。
剣を納め、背を向けるベルモンド。
見逃すつもりなのか―――?
「今は、な。お前がその女を…女がお前をどうするつもりなのかにも興味がある」
何を考えているかはわからない。
だが、命拾いしたことは確かだ。
彼女も、奴も。
そのまま立ち去ろうとするベルモンド。
しかし、彼女がそれを引き止めた。
「あなた、名前は?」
ぴたりと歩みを止め、振り向きもせず奴は答えた。
「ベルモンドだ」
背を向けたまま、手を振り今度こそ奴は立ち去った。
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