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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ソードアート・オンライン】編
097 デスゲームのはじまり その2
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ただろうなぁ…。……だがよぅ、茅場 晶彦はどうしてこんな事を…」

『諸君は今、なぜ、と思っているだろう。なぜ私は【SAO】──及びナーヴギア開発者の茅場 晶彦はこんなことをしたのか?∞これは大規模なテロなのか?∞あるいは身代金目的の誘拐事件なのか?>氛氓ニ』

そんなクラインの疑問はグッドタイミングだった様で、その疑問に答えるかの様に茅場 晶彦はまた語る。

『私の目的は、そのどちらでもない。それどころか、今の私は、すでに一切の目的も、理由も持たない。なぜなら──この状況≠アそが、私にとっての最終目的だからだ。この世界を創り出し、観賞するためにのみ私はナーヴギアを──【SAO】を造った。……そして今、全ては達成せしめられた』

知り合いの俺だから判る事もある。……間違いなくその抑揚の取り方は、茅場 晶彦そのもの≠セった。

『……以上で【ソードアート・オンライン】の、正式サービスのチュートリアルを終了する。……プレイヤー諸君の、健闘を祈る』

茅場 晶彦はそう言い放つと、先ほどまで第1層を覆っていた赤い空と共に消えてしまう。空は既に黄色く──黄昏時(たそがれどき)で、先ほどまで聞こえていなかったが──また聞こえだした陽気なBGMが、なぜか空恐ろしく思えた。

SIDE END

SIDE 《Teach》


――「嘘だろ…っ? ……なんだよこれ、嘘だろ!?」

――「ふざけるなよ!

……出せよっ…! ここから出せよ!」

――「こんなの困るわ! この後約束があるのよ!」

――「嫌やぁぁ! ……帰してっ! 帰してよぉぉぉ!」

第1層の転移門前の広場は良くない感情≠フ坩堝(るつぼ)と化していた。

「クライン、ティーチ、リーファ。……着いてきてくれ。……ここは(まず)い」

ここは(まず)い>氛氓ニ云うよりは今のここの状態≠ェ(まず)いと云う事は明瞭なので、リーファを連れてキリトに着いて行く。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「……クラインなら判ると思うが、MMORPGはプレイヤー間でのリソースの奪い合い。……システムが供給する経験値∞お金∞アイテム≠、より多く獲得したヤツだけが強くなれる。この【はじまりの街】周辺のフィールドは、同じことを考える人に狩り尽くされて枯渇すると思う」

「……リソースの奪い合い>氛氓あ、間違いなく起こるだろうな…」

クラインはキリトの言葉に同調する。……さすがはMMORPGの経験者と云ったところか。

「だから今すぐにでも、次の村を拠点にしたほうがいい。βテスター(おれ)≠ヘ次の村までの危険な道を全部知ってるから、レベル2や3の今でも安全に辿り着ける
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