【ソードアート・オンライン】編
096 デスゲームのはじまり その1
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顔から不安≠フ色は幾分か抜けていた。
――「おいっ、あれっ!」
そう叫んだのは誰だっかは不明であるが──その叫んだ男の示す方向を見ると、[Warning]そして[System Announcement]──と、不安を煽る様な赤い文字で、でかでかと記されていた。
「GMの言い訳か? それともセレモニーか?」
「いや、まだ何かあるみたいだ」
クラインがこれからの展開について推察していると、キリトがそんなクラインの──楽観的にすら取れる言葉を否定した。
(……っ…、今から≠ゥ…っ!)
俺の方にもこの数年間──再転生≠オて以来、久しくニート状態だった第6感がけたたましく警報を上げていた。そこで物語がついに始まった≠フだと──虚空からスライムみたいに垂れてくる名状し難い赤いナニか≠見ている今になって、やっと判った。
「何、あれ…?」
リーファの絞り出したであろう疑問には誰も答えなかった。……俺を含めた皆が皆、滴り落ちてくる名状し難い赤いナニか≠ノ釘付けだったので、リーファのその疑問には応えられなかったのかもしれない。
『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』
滴り落ちてきた赤いナニか≠ヘローブを羽織った人間を象り、いきなりそう宣った。……それも私の>氛氓ニ、大仰な熨斗を付けているのにも耳を傾けなければならないだろう。
……この世界──この【ソードアート・オンライン】の制作に携わり、尚且つこんな大事を──こんな抑揚の無い声でやらかす人間なんか、俺は一人しか知らない。
(茅場さん…)
『私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』
俺の推察は正鵠を射ていた。茅場さんは一体何故>氛氓ニ、この場の誰も抱いているであろう質問に答える様に続ける。
『プレイヤー諸君はすでにメインメニューにあるログアウトボタンが消滅していることに気付いてきると思う。しかしゲームの不具合ではない。繰り返す。これはゲームの不具合ではなく──【ソードアート・オンライン】本来の仕様である』
「仕様…?」
リーファが鸚鵡返しをする。そんなリーファの目を見て俺は失態を自覚した。
(……って、馬鹿か俺は…っ!)
「リーファ──直葉、手を」
「真人兄ぃ…」
不安を目一杯溜めているであろう直葉の手を握って、出来るだけリーファが安心出来る様にする。……茅場さんはそんな俺達に構うはずもなく、更に続ける。
『諸君は今後、この城の頂を極めるまで、自発的にログアウトすることはできない。……また、外部の人間の手による、ナ
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