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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ソードアート・オンライン】編
095 【ソードアート・オンライン】
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る──って事だろう?」

「ああ。クラインはちょっと考えすぎなんだよ。ティーチの言葉はちょっと専門的過ぎるが、要はスキルを立ち上げて──それをずばん、て放つ感じが一番近い」

言葉足らずな俺の言葉をティーチが代弁してくれた。コミュ障気味な自分の気質がもどかしい。

「……こんな感じ…か…?」

クラインの曲刀から燐光が浮き上がってくる。……間違いなくソードスキルの発露である。《フレンジー・ボア》をクラインの方へ向かう様に誘導してやる。

「でゃぁぁあっ!」

クラインは向かってきた《フレンジー・ボア》の突進をさながら闘牛士の様にいなすと、すれ違い様に火の勢いで一閃を《フレンジー・ボア》へと浴びせた。

――パリィィン!

《フレンジー・ボア》はまるで地面に落ちた鏡の様に割れて、ポリゴン体となって、全なる一──この世界を構成している一部≠ノなって還って逝った。

「やったぁぁあっ!!」

「ナイス・ハント。……っも今のはスライム相当だけどな」

「マジか…。……俺には中ボスくらいに思えたぜ…」

「いや、そんなゲーム誰も買いませんよ」

がっくし、と目に見えて肩を落とすクラインにリーファ放った正論が優しくクラインへと引導を渡した。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「……やっぱすげぇな、この世界…」

クラインの喜びも一段落着き、ひたすらMobを狩っている最中。……交代制で前衛をリーファとティーチの──戦闘チートコンビ(誉め言葉)≠ノ任せて俺とクラインはのんびり休憩していると、クラインが感慨深げに呟いた。

「ああ。魔法は無い──が、(これ)≠P本でどこまでも行ける良い世界だよ」

「……オメェ…大分魅了されちまったんだな、この世界に。……っと、もうこんな時間か。今日は5時半に届く様にしたピザを食うんだ──ん? ログアウトのボタンが消えてるぞ」

時間を見ると17時25分。確かに落ちる頃合いとしては良い頃合いである。クラインは右手を振ると訝し気な表情をすると有り得ない事を宣った。

「そんな──」

クラインの言葉を否定しようとした時──最早懐かしくすらある転移特有の浮遊感に襲われた。……俺の感覚が鈍っていないのなら、それは転移≠フ感覚だった。

SIDE END
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