辺境の主『炎帝』編
プロローグ。
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カウンターから立つとその猫の名前を呼んだ。
「行くぞ。ニナ。」
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ラクーアの郊外にある炎帝の館の前庭の門その前に少年は辿り着くとソナに話しかける。
「ここか。」
「まーね。もっともこの前庭が本館から300メートルもあると考えるとまだまだ先だけどね。」
そう言って猫のソナはクスクス笑う。俺はチラッと門を見る。前庭の門は俺の身長をゆうに超えてそびえ立っている。
「門番などはいない様だな。」
「だけど油断はダメだよ。炎帝はどうやらモンスターを庭に放し飼い…もっぱらグールがいるからね。」
ヴァンパイアに直に血を吸われるとその数分後にはグール。ゾンビの様なものになってしまう。そうしてヴァンパイアに忠誠を誓いながらも見境なく人間を喰らう。そしてその喰らわれた人間もグールになる…。
だが女性の場合は違い、何故かグールにならない。だからこそヴァンパイアに攫われるのだ。どの女の血が美味いかというくだらない理由で。
「…入ってみるか。」
「油断せずにね。」
そうソナが言って門に入ると流石、炎帝の館の庭。さっそくグールがお出まし。3体ほどだが俺に向かってきた。
「…『夢幻剣』。」
そうボソッと呟くと俺の手には大きな黒い大剣が握られていた。ただし刃の部分は白く光っている。
グールの動きは単調だ。欲望のままに俺に向かってくる。しかし力は常人以上の力を持つだからそれさえ気を付けて切り払えばいいだけ。
「…はっ!」
大剣の横薙ぎは一瞬。3体のグールは一瞬で上半身と下半身が永久にさようならした。
「あ…ぁ…」
唸り声の方を見ると前庭の先から次々とグールが溢れ出してきていた。
「どうするの?」
ソナはそう言ってクスクスとまた笑う。俺の答えはただ一つ。
「正面突破だ。」
「ですよねー。」
そうニナが返すと俺は無表情で目前へと迫るグールに剣を向けた。
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