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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第一話 黒円卓の望みは知ってますが、何か?
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に必要性を感じない。そう伝えると水銀は興味深げに嗤う。イラッときたぞ、その笑い方。
「君は他者との関わりをあまり望まない上に最低限のことしかしようとしないね。それは良くない事だよ。だから私はその切欠を作ってあげてるのだよ」
うるさいなー。どうせ片思いの相手見せて自慢したいだけだろお前は。そんなんだから嫌われるんだよ。
「否定はせんが流石にそれは酷すぎではないかね?」
お前に温情の余地など無いわ!大体僕は影なんだから一々移動するのも一苦労なんだぞ。
「そんな苦労、私の知ったことではない。マルグリットに会わすのだから何の問題も無いはずだ」
い、言い切りやがった、コイツ。こら!影ごと引っ張るな!?分かった、分かったから行きゃいいんだろ!行きゃあ!
女神と出会った。取り合えずそうとしか表現できない。水銀が恋をするのも納得だ。黄昏の浜辺に揺らめく金髪。座っているのは処刑に使うギロチン。首筋に痕が有るが、それがまた惹かれる要素となっている。唯、少しだけ寂しそうにしているのは気のせいじゃないだろう。
「マルグリット、今日は私の友を連れてきたよ」
「?」
言葉が通じないのか?いやそれは無い。何故なら、水銀が知らない言葉などこの世界・・・・には無い筈だろうから。なら彼女が言葉の意味を知らないのか。だけど、彼女は水銀が来たことが嬉しいのか微笑む。
納得した。こんなにも美しいのは穢されてないからなんだ。それがまた水銀には愛おしく思えるのだろう。水銀が恋をしてなければ僕が欲しいと思ったかもしれない。まあそれはおいといて。
『始めまして、お嬢さん。お名前は?』
全てはここから始まったのだろう。その後、彼女と水銀と共に過ごし、だからこそ思った。彼の恋を成就させてやりたいと。
それを切欠に世界に干渉し始めた。数多くの存在と出会い、何度も見る望まない結末を回避するために別の道を探し、ラインハルトと言う手段がもう一つの目的となったのは何時だったか。記憶が喰われ続けてもあの黄昏と水銀との日々だけは忘れることは無い。だからこそ……僕は……
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