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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第一話 黒円卓の望みは知ってますが、何か?
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れ続ける様子にアルフレートは若干憐れみの目線を向けながら彼は観光を続けることにする。彼の目的はそもそも地理の把握であり、あくまでも観光と言うのは口実でしかない。それでも美人と言える女性と一緒に観光できるのだから言ってみるものである、と思っていたが。

「でもまあそれなりに満足かな、うん。美人さんとも一緒に歩けた事だし。ああ、あそこに店があるね、一緒に行かない?奢るからさ」

なんと言うかそこらに居そうなナンパ並のノリだが実際に笑顔を浮かべながら尋ねる彼はそれなりに様になっていた。要するに雰囲気が違う。
本人は隠していないからなのだろうが空恐ろしい程の存在感、だが畏怖する類ではなく怖い者見たさに近づきたくなるような感覚。それに戦々恐々としながらも出来る限り警戒を解かずに螢は受け答えする。クリストフに言われた通り、対応さえ間違えなければ何もしない人物なのだろうから。

「奢って頂けるというなら私に拒否する権利はありません。どうぞお構いなく」

「だから堅いって。もうちょっと楽にしてよ。折角の美人が台無しだよ」

そんな褒め言葉を言われなれてないのか若干頬を赤く染める螢を見ながら笑みを浮かべる彼には邪気というものは無かった。



******



(何でこんなことになってんだよ!)

現在、俺こと|藤井蓮(ふじい れん)は現状に苦しまざるを得なかった。
事の顛末にいたるまで遡ると昨夜、香純の無事を知って疲れが出てきて気を失ったら、起きたときに何故かマリィが実体化して香純に問い詰められ、マリィにこの町を案内することになって展望タワーまで来て見れば櫻井が誰かを連れてタワーまで来ていた。
ここで何かするつもりなのかと思い、すぐさま俺は構えたのだが、

「今は如何こうする気もないわよ。藤井君」

やや疲れ気味の櫻井はそんな事を呟きながら溜息をついていた。疲れてるのだろうか。そんな感じで近くの飲食店まで行き香純が勝手に話を進めていると、

「始めまして、螢ちゃんの親戚のアルフレートと言います。以後、お見知りおきを」

隣に居た男性がそうやって話しかけてくる。何かをするつもりはなさそうだが油断するわけにもいかないので曖昧に返すと、

「いや〜螢ちゃんにこんな両手に花な彼氏が出来るとはね、これは苦労しそうだよね、螢ちゃん?」

俺と櫻井は同時に飲んでいた飲み物を盛大に吹いた。
いきなり爆弾投下してきやがった。と言うか櫻井ですら知らない事実を何で知ってるんだ!こいつは!?櫻井が何のことだと睨んでくるがそんなの俺のほうが知りたい!!

「何であんたが知ってるんだ!?」

とりあえず話を進めねばと思い話しかけると、

「その前にどういう事かしら?藤井君?」
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