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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第一話 黒円卓の望みは知ってますが、何か?
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第一話 黒円卓の望みは知ってますが、何か?



―――諏訪原市海浜公園―――

「クソッ、クソッ、あの糞餓鬼ガァ……」

そこには今にも死んでしまいそうな程の重症を負っていた男がいた。彼の名はロート・シュピーネ。黒円卓第十位にして表の世界に最も通じていた諜報を中心に活動していた人物だった。

「だがこの傷もバビロンならまだ治せるはずだ。ククク、いけませんねぇ、油断しては。きちんと最後まで止めを刺したか確認すべきだったのですよ」

致命傷にも思える傷を負いながらも彼は生きてはいた。彼の傷は先ほど彼が公園に携帯電話を使い呼び出した藤井蓮によって負わされたものだった。圧倒的に優位だった筈の彼は手を組まないかと誘いかけたのだが三下呼ばわりされ、いきなり強くなったかと思えば、形成を行い彼自身の聖遺物である糸を斬られたのであった。

(おまけに私が負けた理由が顔の差だと!ふざけるのも大概にしろ!)

聖遺物は破壊されればそれを持っていた者は死ぬ(それが基本であるがゆえに聖遺物は強力でもあるのだが)。しかし彼はぎりぎりの所で聖遺物の破壊を免れていた。これに関しては経験の差ともいえるであろう。

「ヒヒヒ、次に会うときが楽しみですよ。次はこうは行きいませんよ。散々ばらしていたぶりつくして上げますからね」

そうしてあれこれと殺す方法を考えていると目の前に金髪に眼鏡を掛けた長身の神父が現れた。

「これはこれは手ひどくやられましたね、シュピーネ?」

「クリストフですか。いったい何のようです?私はここまでの傷を負ったのだ。早くバビロンの所に行かねば・・・」

クリストフと呼ばれた長身の神父はその言葉に対して答える。

「その必要はありませんよ。何故なら貴方はここで贄となってもらうのですから」

ズドン!とそうクリストフが言った瞬間シュピーネの腹がクリストフの腕によって貫かれる。

「が、あ…な、にを…?」

疑問を投げかけるシュピーネに対してクリストフは答えない。いや既に答えている。贄になって貰うと。そうしてシュピーネは死に、第二のスワスチカが開いた。そしてそれと同時に影が揺らめく。

「久しぶりだね。ヴァレリア?」

「二つ開いた時点で貴方が現れるとは…意外ですね、ナウヨックスさん」

クリストフのすぐ側に居たのはアルフレート・ナウヨックスだった。彼は久しぶりの世界に慣れる為に体を伸ばす。

「まあ、全然力はないけどね、活動しかできないし。それにしても相変わらずだね、ヴァレリアは。アルフと気軽に呼んでくれても良いのに」

「いえいえ、貴方と私はそのような間柄でもないでしょう?」

「そりゃそうか。じゃあ今度、教会でミサと市をしよう。そうす
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