第2章 反逆の少女たち
第30話 カスタムは平和なり
[13/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
そこにいる悪魔までは覚えが無いのだ。
「申し訳ねぇだが」
「あー構わないわ。ただ気になっただけだから。悪魔っ娘が大分不幸な目にあったらしくてね?」
「悪魔がだか……。それは珍しい事もあるだ」
少し驚きを隠せない。話しぶりから察するに、人間とその悪魔が出会って悪魔が嫌な目に合ったと言うことだ。普通の悪魔でもそれなりの力を持っているから人間に遅れをとるとは思えないのだ。……自分の様に下僕にするなら兎も角。それに普通の人間は知らない筈だから。
「ま、話しに聞いただけだけど、またどっかで会いそうなのよね〜。そんなコと」
「なぜだべ??」
「だって、私の面白センサーがびんびんに働いてるから。まだ先っぽいような気がするけどね?」
恐るべしAL教シスターロゼ。
彼女の予言?通り、数ヵ月後にあの悪魔《フェリス》と再開を果す事になるのだ。そして、更なる不幸に襲われてしまうのは、後の話である。
〜カスタムの町 志津香の部屋〜
「………」
志津香はベッドで寝転び、天井をじっと見つめていた。ここ数日は本当に長く、でも短くも感じていた。矛盾しているように思えるが、自分でも判る。
長く感じたのは、父親を助ける為に躍起になっていた期間。
そして、短く感じたのはユーリと過ごした期間だ。
楽しい時間はあっという間と言う言葉はよく聞くが……ここまでとは思ってなかったのだ。
「って、何考えてんだろう私……ふぅ」
志津香はゆっくりと身体を起こすと部屋の窓を開けた。温かな日差しが差し込んで着ている。太陽の位置的にはもう正午だろう。
「お昼……何食べようかな。ああ、そうだ。マリアに手伝いを頼まれているんだったわね」
志津香は手早く着替えをすませ様と、洋服入れを開いた。下着姿のまま、寝転ぶのは普段からであり、多少ズボラな所があるのだが 注意する者もいないし、一番それが落ち着ける格好なのだ。
無論、見られない様に注意はする様にした。……誰に、とは言わないが。
そして、着替えをする際に1枚の写真がポケットから抜け落ちた。それは、あの時の宴の写真。いつの間にか取られていた写真。
「……ペペのヤツ、ほんっといつの間に撮ったって言うのよ」
落ちた写真をとりそう呟く志津香。写っているのは、自分とユーリが一緒にいると事。他のメンバーも、勿論写真には入っているけれど、中心を占めているのは2人だった。
誰を狙って撮ったのか良く判る1枚だった。
「……あんたはいなくなるんじゃないわよ。絶対に」
志津香はぎゅっと写真を握り締めていた。
……自分はいつの間にか1人になってしまった。もう、二度とそんな事が無い
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ