第2章 反逆の少女たち
第30話 カスタムは平和なり
[2/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。そんな時だった。
「あ、あの〜」
「ん? ああ、キミ達は確か……」
前に来たのは女の子達。前に志津香に捕らえられていた子達だ。
「わたしはエルムと言います。志津香さんの隣にいらしたので判ったのですが、あの時は助けていただいてありがとうございます」
「いいや、構わないさ。厳密に言えば君達を解放したのは志津香だし、それに報酬も貰っている。オレは、仕事をしただけだから」
「はい。……あの〜多分、町の皆もすっごく気になってるんですが、聞いても良いでしょうか?」
「ん? 構わないよ」
ユーリは軽い気持ちでそういったのだが……、この後 後悔する事になる。よくよく見てみれば、町の人も何処か表情がおかしい。最初は喜んでいた筈なんだけれど。
何よりも、こんな事を訊いてくるとは想像すらしていなかったのだ。
「ユーリさんって、おいくつですか?」
「………」
ユーリの表情が、いや その全てが固まったのは言うまでもないだろう。
そんなユーリに全く気づかないのは、彼女達だ。
「でも凄いよねっ! その歳でここまで強いなんて、四魔女の皆を解放してくれたのもランスさんやユーリさんなのよね!?」
「…………」
「いくら感謝してもしたりませんよ。ありがとうございます」
「……………」
後半は、歳の話しじゃないんだけれど、固まった表情を、……引き攣った表情を、戻せないユーリ。
まだ、実年齢言っても無いのに、エルムの次に話して来た女の子は、自分自身の歳は決まってると言わんばかりに言っていた。
よくよく考えたら今フードをつけてないし、町の皆の前で素顔を曝したの、初めてかもしれない。町長のガイゼルもやや驚いているし、チサに至っては驚いてはいないが、今は苦笑いをしている。
「ユーリ……どんまい」
志津香は肩を軽く叩いて励ましてくれた。
彼女は勿論ユーリの実年齢を知っているし、再開のインパクトが大きかったからそこまで気にしてなかったのだ。そして、空気を読めない男と女がここにいる。
「がーーーっはっはっはっは! よかったではないか! ユーリ! 随分と若く見られたみたいだぞ?」
「きゃーうらやましー(棒)」
「全然嬉しくないわ!! それにロゼ! 棒読みヤメロ!!」
「何を言う、オッサンに見られるに比べたら良いではないか」
「そんなん 知るかっ!!」
突然口喧嘩をしだした3人を見て目を丸くする女の子達だ。そんな彼女達にそっと一言、言うのがマリア。
「あ、あの〜……ユーリさんは19歳なのよ」
「えっ……?」
「えええっ!?」
「うそっ!! もっと下だと思ってた!? 私と、2,3歳しか違わないの!? そんなのずるい!」
驚愕している女の子達。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ