第2章 反逆の少女たち
第29話 戦いの終焉と指輪の解放
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な光線。凄まじい程の魔力を帯びたその光線はラギシスの身体へと一直線に向かっていく。
「此処で死ぬのはお前だけだ。……これは、これからの攻撃は惣造さんとアスマーゼさんの分だ!!」
左手で取り出したのは一振りの短刀。かなみから譲り受けた短刀だった。その短刀で掴んでいる部分切り落とした。
「かなみ。助かったよ」
短刀で腕から脱出するその瞬間、この短刀を授けてくれたかなみに礼を言っていた。彼女の刀が無ければ、もしかしたら 無理だったかもしれないのだから。
そしてその直後に白色破壊光線がラギシスを包み込む。
「バカ……ナ、コノ、ワタシ……ガ……マタ……」
叫ぶ間もなく、志津香の光線はラギシスの身体そのものを吹き飛ばしていた。
そして、光線によって生まれた煙が当たりを覆っていたが……、風と共にそれは晴れた。
着弾点にはあのラギシスの巨大な身体は跡形もなく消し飛んでいたのだった。
全てが、ラギシスの全てが消え去った後。その光景を見た後、志津香はすぐさま 駆け寄った。
大丈夫だといっていた筈なんだから。あの場所に無事でいる筈なんだから。
「ゆぅっ!! ゆうぅぅぅッ!!!」
ロゼのアイテムで回復したとは言っても疲労感がかなり残っていたが、それも構わず彼の名を呼び、叫びながら探し続けた。
「そんな……ユーリさんが……!」
「なんで、なんで!! おねえちゃん!なんで、ユーリさん、あの時に撃てって言うのっ! あんなの……あんなの受けちゃったら……」
「あいつ……最後の最後までオレ達を庇ったんだ。暴走した状態だったらどうなるか判らないから。……万が一でも、暴走したアイツがオレ達の方へと来ないようにって。だから、志津香の魔法で吹きとばせって………! それでお前が死んだら意味ねえじゃねえか!!」
ミリも志津香に続いて駆け出した。
「そんな……うそ、嘘よっ!」
「ユーリさんっ!!」
ランも、マリアも武器を捨てて駆け出す。
ラギシスが消滅したその場所。……ユーリも一緒にいた筈の場所。……そこには、彼の姿が無かった。影も形も無かった。
「そ、そんな……」
「………」
「………」
マリアは呆然と立ち尽くし、ランスも何も言わなかった。それは、遅れてこの場に戻ってきたロゼも同じ。
ただ、口を噤んでいるだけだ。
「ゆーが……ゆーが約束を破る分けない!!」
志津香が悲鳴に似た叫びを上げていた。承知しないと言い、そして約束をしたのだから。
その時だった。
「……勿論、さ」
「ッッ!!」
声が、訊えてきた。その声に、誰よりも早く反応し、振り返ったのは志津香だった
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