第2章 反逆の少女たち
第29話 戦いの終焉と指輪の解放
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ロゼが掲げたその神を象った像が砕けた瞬間。まわりに温かな光りが降り注いだ。倒れていたメンバーにも満遍なく降り注ぎ、傷口を塞いでいく。
「こ……これは、凄い貴重な回復アイテムですっ! は、初めて見ました!」
「そ、こんな事もあろうかと思ってカイズの町のAL教本部からくすねて来たのよっ」
驚いているシィルに、ロゼはニヤリと笑ってそう言う。
皆の体力を回復させるアイテムとしては最上級のものであり、その効果は世色癌とは比べ物にならないのだ。
「おいコラ、淫乱シスター。オレ様より目立ってるんじゃない!」
「なーに言ってんのよ。アンタが目立つのはここからじゃない? 私はこれ以上の事はもうできないんだし、お役御免って訳よ。後は後ろで逃げる機会をうかがいながらチマチマ回復してあげるわ。ご利用は計画的によろしく」
ロゼはそう言って手を振っていた。その手の指、親指と人差し指をくっつけて○を作っている。
どうやら、有料のようだった……。だが、ランスは気にせずにそれを聞くと、やる気が出たのか。
「がはは、ならばここからはオレ様の見せ場だ! オレ様の女達は下がっていろ!」
「だから、誰がアンタの女よ!」
「オレも回復したし、また助太刀する!庇われるのばかりは御免だからな」
「私もっ!!」
「まだ……私だって役に立てる」
完全回復とまでは行かないが、立つ事が出来なかった彼女達を再び戦えるまでにしたアイテム。ユーリはロゼの方を見た。その視線に気づいたようで、ロゼはニヤリと笑って親指を突き立てていた。
「後々が、怖いな」
ユーリはそう考えながら、笑う。
あれ程の貴重なアイテムだ。今後……金以外にも一体何を要求されるのかと。だが。
「感謝する。ロゼ!」
ユーリはそう言っていた。今は、感謝しか浮かばない。それに、命あっての物種でもあるのだ。
「アンタが出来なきゃ誰も勝てないんだから。しっかりやりなさいよ?」
ロゼはそう呟くと、距離を置き見守っていた。
彼女は戦う力は皆無であるから、戦闘には参加できないのだ。悪魔を呼び出す事は出来るが生憎今の時間帯は都合が悪いとダ・ゲイルに言われており、呼ぶ事も出来ない。契約者には従わなければならないが、これまで願いを聞いてくれている為、無碍には出来ないのだ。その理由が、悪魔としての力が弱ってしまう等であれば尚更である。
一行は再び動き出そうとしているラギシスに向き直る。
「おい、コイツを格好よく殺すのがオレ様の役目だ」
「ああ、別に狙ってないから好きにしていいが……それは早い者勝ちだな」
「ふん! 足をひっぱるなよ!」
ラギシスは、ランスから受けた傷を完全に回復させるとその巨体を震わせた。
「雑魚が何匹集まろう
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