第2章 反逆の少女たち
第29話 戦いの終焉と指輪の解放
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と思ったぞ」
ユーリはそう言うと、笑みを見せていた。
これは、共に冒険をしてきた者同士の美しき絆か……と思われるが、そんな類じゃない。だからこそ、ユーリは笑いながら更に言う。
「ここには、美人の女が沢山いるからな?」
ランスの行動理念を考えての一言だった。
「その通りだ! 誰が貴様なんぞ、助けに来るか。 ……ま、恩を売って更に金をせしめてやろうとは思っていたがな。むざむざラギシスのバカにオレ様の女達を殺させる事もありえない」
「誰がアンタの女よ !馬鹿ッ!」
志津香はランスの言葉にそう奮起していたが、内心では心底安堵をしていた。
理由はなんであれ、ユーリが助かったのは事実なんだから。その表情を見たランスは更に笑う。
「がははは! ついに志津香も惚れたか!」
「誰が惚れるか!! 皆が大変な時に、遅れてくるようなやつに!」
「判ってないな! 志津香は、英雄とは遅れてくるものだ、それにその方が格好良いと言うものだ!」
「はは、お前らしい」
「皆さん、怪我を治します!」
遅れてやってきたシィルが、皆を治すために魔法を使う。
「みんなのいたいの、とんでけーっ!」
シィルが使うのは複数、回復する事が出来る神魔法≪回復の雨≫
その治癒能力はヒーリングには劣るが、それを補って余りあるのが全体回復効果だ。だが、何度もラギシスの猛攻を受け続けてきたユーリは勿論、直撃こそは避けられたとはいえ、最強の攻撃魔法である黒色破壊光線を受けた他のメンバー達の体力を回復させるのは、心許ない。
「ダメダメ、そんなんじゃ間に合わないでしょ?」
「なっ!? なんであんたがここに!?」
その時だ。志津香は目を見開いた。その場にいた人物に驚きを隠せない。ランスが現れた時よりも、驚いていた。
「まさか……お前まで来てくれるとは思ってなかった。てっきり逃げたとばかり思ってたよ」
あの町長屋敷の場にはいなかったが、このラギシスの事実を知れば、フィールの指輪を奪って逃げたと言う事実を知れば 逃げ出すだろうと、思っていた筈の女が立っていたのだ。
「あはははっ! ま、ユーリがいなかったら確かに逃げてたわね? でも私は勝ち馬にはのる性質なの。ランスと一緒で、アンタに恩を売るのも悪くないじゃない?」
ニヤリと笑ってそう言うのは、カスタムのシスター・ロゼだ。
彼女は決して戦闘が出来るわけではないが、神魔法を使える為、ヒーラーとしても重要な役目を果してくれるのだから。事実、町の住民の傷を治していたのは彼女なのだから。……料金はしっかりと受け取っていたようだが。
「そして〜、皆の頼りになる清楚なシスター・ロゼさんが持ってきたのはコレっ! 全治全納の神! 弾けて光りなさい」
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