第2章 反逆の少女たち
第29話 戦いの終焉と指輪の解放
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を繰り返すラギシスを見て苦笑いをするユーリだった。
戦況は……この上なく悪い。
「おねえちゃん、ユーリさん……凄いね! 勝てる、勝てるよ!」
「ああ……そうだな」
「私達、いらなかったんじゃないかな? こんなに強いなんて思って無かったよ!」
ミルはダメージはまだあるものの、ユーリが戦う姿を、圧倒する姿を見て興奮したように話していた。
あのラギシスの巨体を何度も何度も吹き飛ばしているのだから。まるで、ミルがよく読んでいる漫画に出てくるヒーローの様だったから。
そして、攻撃も早いから魔法を使う隙も無ければ、触手で攻撃する隙も無い。指輪の力が切れた時、ラギシスが死ぬのは明らかだと思えていた。
「……明らかに、アイツの動きが鈍ってきている」
だが、ミリはそう楽観的には見れなくなっている。
最初の頃のユーリの速度を考えれば、間違いなくその動きに鈍さが出てきているのがよくわかるのだ。大体、あれ程の力をノーリスクで使えるなんて到底思えないのだから。
何のリスクも無く、使えるのであれば 最初から使っている筈だから。
ランもミリと同じ気持ちのようで、心配そうにユーリの方を見ていた。志津香の言葉を疑うわけではない。だけど……嫌な予感が拭えないのも事実だった。
「くっ……早く、早くっ!」
志津香は必至に魔力を溜めていた。
残り少ない魔力を溜めて、自分の持ちえる最強の魔法で仕留める為に。だけど……その時間が永久に感じる程長い。その間、苦痛に顔を時折ゆがめているユーリの顔を見るのがこれ以上無く辛く、志津香にとって、自分の苦痛よりも地獄の苦しみだった。
「誰か……誰か……ゆーを助けてッ……」
自分の頬に伝って流れる涙。その目に映し出されるのは 血に染まりながらも 猛攻を受け、攻撃をし続けているユーリの姿。
折角また会えたのに、また失ってしまうかも知れないという恐怖が彼女に迫っていたのだった。
「死ね!!死ねぇぇ!!」
「ぐっ……!」
徐々に攻撃が当たるようになり、それを見たラギシスは笑みを浮かべていた。
「く、くくくく! 死期が近づいてきたようだな!! 精々神に祈れ! 小者が!」
初めこそ、ユーリには攻撃は殆ど当たらなかった。その触手を何本伸ばしても、即座に爆散させられていた。……だが、今は違う。無数の触手はユーリを捉えだしたのだ。
だからこそ、ラギシスはそう判断したのだった。
そして、ユーリはその言葉を訊いたその時。
「バカが……オレは一生……」
薄ら笑みを浮かべていた。
その笑みを見たラギシスは、悪寒を感じていた。それ程凶悪な笑みだったのだ。
『神』
それは、ユーリに取って 最も嫌い
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