第2章 反逆の少女たち
第28話 絶望の中の光
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津香はそんなラギシスを睨みつける。呪いで人が殺せるのならと今日だけで2度も思ったのは初めてだ。
「か、勝手なことを……! ラギシス……!!」
「ほう、まだその目が出来るか? 無駄死にじゃなかったようだな? 貴様の男は。……いや、結局は同じ事か! 同じあの世へ行くんだからなぁ」
最早人間の面影さえない異形の姿。その異形の口から巨大な舌が出て舌なめずりをしていた。
志津香はまだ意識ははっきりしている。当然だ。ユーリが……、身を挺して守ってくれたのだから。
それなのに、自分が動けない事への苛立ちを隠せられない。その姿を見れて興奮したようにラギシスは話し出した。
「くくく、そうだ。冥土の土産だ。良い事を教えてやろう」
「な、何を……!」
「志津香が長年追っていた敵、ラガールの事だ」
「な……、ラガールを知ってるって言うの……?」
「ああ、知ってるとも。あいつと私は同期なのだからな? そう……貴様の父 惣造、そしてアスマーゼも同じ魔導塾出なのだ」
「あ、アンタも、あの塾に……」
志津香は目を見開いた。
自分が両親の敵を知れた場所こそが、そのミステリア魔導塾でだった。ラガールもその塾出身であり、両親も同じだった。だが……この男がいる事は知らなかったのだ。
「くっくっく。当時のあのラガールのアスマーゼへの入れ込みはそれは凄かったなぁ。恐れをなした惣造はアスマーゼを連れて逃げる程にな」
笑みを浮かべ思い返しながら話すラガール。
「魔導塾では、アイツ、惣造は私よりも遥かに優秀だと言われ続けていた。魔力では私の方が上だと言うのに、何故かまわりもヤツばかりを見ていた。よわっちいアイツをだ。自分の女も守れんあのクズをな!」
それは完全な逆恨みだった。邪悪で醜い嫉妬が紡いだ結果がすべてに繋がる。
「くくく、次第に惣造は独断で行っていた私の研究にもケチをつけだしたんだよ。『人々の事を考えろ』『争いを助長するだけだ』とな? 目障りだったんだよ。殺してやりたいと思う程にな? そう、私もお前の父親を殺そうと思っていた。……これ以上言えばわかるだろう?」
「……ら、ラガールと結託していた?」
「はははは!! そうだ、共通の目的があったからなぁ! アイツが欲していたのはアスマーゼ。私は興味は無いが惣造をより苦しむ死に方に追いやれるのならなんだって良かった。自分の計画を進め、且つ惣造も死ぬ。最高じゃないか!」
聞くに堪えない独白を聞いていた他の3人は無理矢理立ち上がろうともがいていた。
「そ、そんなの! アンタの勝手な逆恨み……じゃない!」
「外道が……!! てめえは生きてちゃいけねえ存在だ!!!」
「ぜ……ったいにゆるさない。ゆるさいないんだから!」
立ち上がろうと懸命にも
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