第2章 反逆の少女たち
第28話 絶望の中の光
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、転移してくるようだった。捻じれ、そして裂けた時空の狭間から指輪を妖しく光らせた右手が出てきた。
輝きを更に増している四つの指輪が強く輝いたと同時に、ラギシスの全身が露になった。
「ラギシス……」
「ふむ、誰かが近づいてきているとは思っておったが、貴様らだったのか」
全身を漆黒のマントで覆い隠しているラギシス。
まるでその風貌は人間のそれではなく、魔王を彷彿させるかのような姿だった。
「貴様らの役目はもう終わった。魔力の供給ご苦労と労いたいものだが、何故私の前に立つ?」
前に立ったラギシスは全員を満遍なく見ていた。まるで、ゴミを見るかのような目である。
「息の根を止める為よ!」
「危険物を放っておいたら大変だろ? それを処理するのも冒険者の勤めだ。まあ、まだ依頼は着てないが、時間の問題だ」
「そうさ。オレが許せねえのは妹を弄んだ所にあるんだよ!!」
「貴方は決して許さない。町のためにもここで終わりにしてあげる!」
「私もっ!!」
強い意志を持ってこの場に下りたった戦士達だ。
気迫は確かに伝わってくる。だが、ラギシスはただただ笑いっていた。状況が理解できないのは哀れだと言わんばかりに。
「ふふふふ! 指輪の力で無限の魔力、そして生命力を持つこの私相手にか? その私相手に勝てるはずもあるまいに……よほど命がいらんと見えるな」
ラギシスは顔に手を当て、笑いを上げていた。
それは敵から目を離す行為であり、戦いにおいては愚の骨頂だ。
「煉獄・居合」
「ぬぐぁっ!!!」
ユーリの一閃がラギシスの胴部分を真一文字に切り裂いた。
どうやら、今は幽体ではなく指輪の力で身体を作ったようで、血も流れている。だが、傷は浅いようだ。1歩、いや半歩 後方に回避をした為だ。
「ほう……、突然強大な力を得たものは それにかまけるものだがな? 認識を誤ったか。中々やるじゃないか。小者」
「き、貴様ぁぁぁ!!!」
ラギシスは、ユーリを睨みつける。
それが、決戦の合図だった。
「いけえ!! 幻獣さんっ!!」
「おらああああ!!!」
ミルとミリの攻撃がラギシスに迫る。
だが、完全に戦闘態勢に入っているラギシスはそれを問題なく魔力で弾き飛ばす。
「ぐっ!」
「幻獣さん、負けないでっ!」
「ふん、その程度の攻撃。私にかすり傷一つつけられん!」
「の割には、ばっさり斬られたじゃないか。あまり口を開かない事だ。小者ぶりが露呈するだけだ」
「こ、小者だとぉぉ!!! き、貴様ぁぁ!!! 指輪よ! 私に力を!!」
ラギシスは指輪の光を集中させ、両方の手に迸らせた。
「消し飛べ!! 黒色破壊ッ……!! ぬっっ!!」
「させないわ!!」
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