第2章 反逆の少女たち
第28話 絶望の中の光
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ているんだ。その思いを無碍に出来るものじゃないし、何より今の時代 年齢は関係無い。戦える力をもつものなら尚更なのだ。
その分、大人であるほかのメンバーがフォローに回れば良い。
――………
軽口を時折いれ、笑い声も出ていた場だったのだが。やはり会話が途切れると沈黙となってしまっている。ランスも言っていた事だが、この先にいる敵は強大なのだ。
40人の魔力、そして 自分達の魔力も吸って強大になったラギシス。前回は、指輪の力を借りて、倒す事が出来たが今回は……と、不安感が拭えない様子だった。
「……大丈夫だ。誰も死なせない、勝ってカスタムで宴をやり直そう」
その中でユーリが、そう言って笑った。そして、付けていたフードを外して放った。
「はは、素顔出して良いのか?」
「茶化すなよ。……今回はしょっぱなから本気って事だ」
ミリにそう言うユーリ。
ミリはこの時少し寒気が走っていた。
極端に狭まっている視界の中でユーリは正確無比に敵を討ち取っていた。それが、今の状態なら極端に言えば視野倍以上に広がるだろう。判断力が以前以上に増すと言う事もわかるし、尚且つ本気だと口に出している。回避能力も向上しそうで、魔法すらかわしそうだ。
「(今は童顔童顔って言えないね。良い男だよ。最大限に信頼出来る)」
ミリはニヤリと笑っていた。
背中を預けるのに、ここまで頼りになる者を知らないのだから。
「……ふふ」
志津香も笑っていた。
いつの間にか、ユーリがリーダーの様に振舞っているが、別に違和感があるわけでもないし、信頼も出来る。それは他の皆も同様のようだ。
あの日の少年はこんなにも強くなって自分達の町を守ってくれようとしている。確かに自分達も戦うのだが、なんだかとても嬉しいんだと志津香は感じていた。
「皆、いくぞ」
「ええ」
「よし、妹を誑かせた礼はたっぷりしてやる」
「サポートは任せて! ラギシスなんか吹き飛ばしてやるんだから!」
「うんっ! 頑張る!」
「責任は重大。町のためにも、必ず」
6人はそう掛け合うと、森の奥へと視線を向けた。
前衛であるユーリとミリが先頭に立ち、志津香、ラン、ミルが後に続いた。
――……決戦はもう、間近に迫っている。
森の中に歩を進めて数分後だった。
洞窟が見えてきたのだ。どうやら、あそこにいる可能性が高いだろうと思っていた矢先。
「………」
ユーリは右手を横に伸ばし、前進をとめるように促した。何かを察したようだ。
「来るわっ!!」
志津香もそれと殆ど同時に叫んでいた。
その瞬間、突如洞窟の前の空間が捻じれて歪んだ。時間移動をしたあの時の感覚に少し似ている。どうやら
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