暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第28話 絶望の中の光
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メージがある、生きている事自体が不思議なほどのユーリが立っているのだ。

「ふははは! これは驚いたな? 貴様か!」

 ラギシスは驚いてはいるが、まだ笑える余裕はある。
 なぜなら男の目は虚ろであり、押せば倒れる様な姿だからだ。あの一撃をどうやって防いだかは判らないが、もう瀕死なのは判る。

「志津香共々潰してくれるわ!」

 再び武器と化した腕を振るおうとしたその時だ。

「煉獄・羅刹」
「……ぬ!!」

 ラギシスは、この時違和感を覚えた。瀕死のはずの男から迸る殺気。まるで殺気を具現化したかのような姿。今の自分より遥かに小さい身体の筈なのに荘厳たる気配を感じたのだ。

「……お前は最も言ってはいけない事を言った」
「あ?」
「……お前は最もしてはいけない事をした」
「何をブツブツ言ってやがる!」

 ユーリはゆっくりとした動作で、ラギシスの触手を真っ向から……殴り返した。それは、とてつもない爆発音を生み、そしてラギシス共に、その巨大な触手が吹き飛ばされた。

「あぐあああ!! な、なんだとぉぉぉ!!」

 触手と共に吹き飛ばされてしまう。
 確かにダメージはあるが、それ以上に精神的にあった。瀕死のはずの男からある筈のない力でダメージを受けた事だ。

「あの悲劇の元凶の1人が貴様なら」

 ユーリの腕が異様な靄に包まれる。

「貴様を滅殺する。……その魂すら粉々にしてやる!!」

 ユーリの目も赤く染まり……まるでその姿は鬼の様になっていた。
 右腕を振り上げ……力任せにラギシスを殴りつけるユーリ。その着弾点から爆発が起こり、ラギシスを吹き飛ばしていた。

「がああああ!! な、なんだこの力ぶっ!!」

 続いてユーリの剣がラギシスの口の部分に直撃する。
 最後まで言う事が叶わなくなったラギシスはユーリの返しの拳を受け、そのまま吹き飛んでいった。

「……志津香」
「ゆー!! し、しっかりしてっ!!」

 今にも倒れてしまいそうなユーリを支えようとした志津香。だが、異様な熱気のせいで支える事が出来ない。

「……今だ、今のうちに にげろ」
「ッ!!」

 ユーリの口から出たのは逃げろと言う言葉。
 その姿を見た志津香はあの時の父親の姿と被っていた。身を挺して、守ろうとしている父親の。

「ばかを言わないで! 逃げるわけない……逃げるわけ無いじゃない!」

 志津香はそう言い、自身も戦おうとするが、初戦で使った魔力も思うように回復していないのだ。満足に戦えないかもしれないが……それでも 逃げると言う選択肢は彼女には無い。最後まで一緒にいる。絶対に離れないよ強く思っていた。

 それは他のメンバーも同様だった。

「へ……情けねえが、オレは動
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