第2章 反逆の少女たち
第28話 絶望の中の光
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がく3人。
それを見たラギシスは再び笑い声を上げたいた。志津香も、ラギシスを睨み続ける。
「殺す……絶対に殺す。殺してやる!!」
「ふははは、成程、あの男が救ったのは貴様らもだったようだなぁ? だが、この状況でどうやってこの私を殺すと言うのだ? 志津香よ。ははは、だが正に滑稽だな? 貴様の両親を殺したと言っていいこの私の元で魔法を学ぶお前の姿。あの草原で笑いながら、魔法を覚えようと、教えてとせがむお前の姿。笑いを堪えるのが大変だったぞ!」
ラギシスは、一頻り笑うと……その笑みをとめた。
「私の憎悪は当然、惣造の娘である貴様にも向いている。あいつには死すら生温い。最愛の娘もとな。……お前も、より苦しむタイミングで殺してやろうと思っていたんだ。父親の敵を教えた後の絶望する顔を見ながら楽しむ予定だったのさ。だが、まさか私が殺されるとは思ってもいなかった。そこだけが唯一の誤算だった。知っているか? 志津香よ。細胞のひとつひとつがすりつぶされていくような痛みを、身体が崩れていく痛みを……お前にも味あわせてやろう」
ラギシスは言い終えると再び触手を身体中から出した。
それらは再び一つの巨大な触手へと変わり……やがて 無数の棘が付いた形へと変わる。その姿はまるで星球武器。
「これで何度も撃ちつけてやろう。地獄の苦しみだが……いつかは解放されるさ。さぁ……絶望しろ!!」
「っ……!!」
その異形の武器が志津香に迫ってくる。
志津香は動きを縛られて避ける事も出来ない。だが、せめてもの抵抗にと決して命乞いや叫び声は上げまいと唇を強く噛み締めていた。ユーリも、そうだったから。最後の最後まで。
ただ……それでも悔しさは残る。
それは死の恐怖よりも遥かに強く残っていたのだった。
走馬灯……それは死の瞬間最もスローに感じ、人生を振り返ることが出来る最後の光景。苦痛でならなかった。
真の親の敵とも言える男の下で修行をしてきたなんて。一瞬でも自分が慕っていたなんて。悔しくてたまらなかったんだ。
「死ねぇぇ!!! ふはははは!!!」
ラギシスの一撃が志津香を押し潰す!
……筈だったが、それは、人体ではなくまるで金属に強く打ち付けたような音がした。
「ぬ!!」
「………」
そこに立っていたのは、さっきまで倒れていた男。
「ゆ……ゆーっ」
志津香はその姿を見た瞬間、目に涙が溢れてきていた。
絶望だった。闇の中に差し込んだ光を目の当たりにしたのだから。それは幼い頃、何度も追いかけた背中。長い年月が立っても変わらない笑顔で自分を見てくれた男の背中。
……人の温かさを思い出させてくれた男。
あの黒色破壊光線を直撃して、誰よりもダ
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