第2章 反逆の少女たち
第28話 絶望の中の光
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〜カスタム周辺の森〜
志津香は目を閉じ魔力の残り香をおっていた。
あの指輪の魔力は強大だ。
いくら、それを隠そうとしても隠し切れるものじゃない。高位の魔法使い相手であれば尚更だった。
「こっちよ。間違いない……アイツはこの森にいる」
「……わかった。よし、ここで一先ず役割を確認しておこう」
ユーリが皆の方を向いてそう言っていた。
こちらの人数は6人。
志津香、ラン、ミル、マリア、ミリ、そして、ユーリだ。
「前衛、接近戦はオレとミリ、そしてランだな。深追いは禁物だ相手の出方を見極める事。決して無理はするなよ」
「ああ、任せろ」
「はい。頑張ります」
ミリとランは強く頷いた。
ユーリは、その2人を確認すると、次に志津香たちを見る。
「後衛は、志津香とミル、そしてマリ……ん? 何をしてるんだ?」
視線をマリアに向けてみると……、一体何処から出したのか、砲台を乗せた台車を押していた。どうやら、町から急遽持ってきたとの事だ。
「おお! 気づきましたか、ユーリさん」
「誰でも気づくでしょ……そんな大きい物体持ってれば」
「なにそれ? マリアのオモチャ?」
「なんでオモチャなのよ! ミル!」
マリアは時折はツッコミを入れつつその砲台を皆の前に見せるように持っていき胸を張った。
「これこそ、私の最終兵器! その名もチューリップ2号・マレスケ試作型!」
「最終兵器で試作型って……大丈夫か? 肝心な所でポカミスとかしたら洒落にならんぞ?」
「ああ、もう! 茶々入れないでよランスみたいに!」
マリアはユーリのツッコミに頬を膨らませていたが、直ぐに調子を取り戻して説明を始める。
「整備はばっちりだし、撃てる事も確認済みよ! これは長距離用の兵器なの。私の場合は皆より遥かに魔力を吸われちゃって、魔力的な戦力は出せないから、離れた場所からこれで、皆を援護するわ。上手く誘導をお願いね? 洞窟とかにいたら厄介だから、その場合は外に連れ出してきて」
喜々爛々と言った感じでそう言っていた。それ程までに自信があるのだろう。
確かに、マリアの兵器はポカミスさえなければ十分に驚異的だ。……チューリップ1号の時は、初めはこんぼうだったのだが後半では強力な武器となっていたのだから。
「撃てる事を確認したって事は、エネルギーが無いとかは言わないって事だな。それを直接武器にするのは無理があるしな? あの1号みたいに」
「ゔ……それは私の黒歴史なんだから、掘り起こさないでよ!」
「ん? そうなのか、マリア。黒歴史だって想ってるのは、てっきり鏡の間でのオレとの一戦の方が、って思ってたんだが?」
「うきゃああああっっ!!
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