暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第27話 元凶
[4/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


 チサは慌ててそう答えつつ、水も用意していた。チサの父親、ガイゼルも飲みすぎのようで目を回しているようだったが……対した事はなさそうだ。チサが戻ってきてからずっと、べったりだったようだ。

「お父様ったら……、大丈夫ですよ」

 チサはそう何度も言っていたのだった。そして、ランスはと言うと。

「◎△$♪×¥●&%#?!」

 さっきも思ったのだが……、もう何を言っているのかさっぱり判らない。明らかにガイゼルよりも重症だったようだ。そのままシィルとチサの肩で支えられながら退場していった。
 S●X!S△X!と連呼しているバチが当たったんだろうか?

「恐るべし……≪ヘルマド・スピリタス≫って所か」

 ユーリは、ランスを見ながらそう言っていた。チサが持ってきたと言う酒の量はほんの僅かな量だ。一気に飲んでしまえば、有害だからだろう。そもそも、アレはストレートで飲むものじゃないから 何かで割るなりをする筈だが。

「そもそも、だ。……アレを頼んだのは、一体誰d「あはははっ!!」おぅっ!??」

 突然、ユーリの背中に衝撃が走った。誰かが背中に抱きついてきたようだ。

「あははは、ゆーだっ! ゆーがいるっ!! あはははっ!!」
「し、志津香っ!?」
「ゆー、つ〜かまえた〜〜っ! あははははっ!!」

 背中に伝わるのは温かい感触。
 ランスの様な感性とは少し違う。確かに、志津香の胸の感触は背中を通して伝わるが、それ以上に何処か暖かかった。

 ≪家族≫と思えた人との再会だから……だろうか?

「あ、あ〜〜、こら、志津香っ!」
「無茶苦茶に飲むからだよ……」
「わ、しづかが抱きついてる姿初めてみたっ!!」

 志津香がここまで潰れるのも、誰かに抱きつくのも見た事無い面々。それは古い付き合いなのにも関わらずだから、驚いている様だ。

「成程……あの酒を頼んだのは志津香か」

 ランやランスから解放されたマリア、そして興味津々に見ているミルが傍に寄ってきた。
 酒を頼んだのは誰か?と思っていたユーリだったが、明らかに酔い方が他とは違う彼女と、さっき退場していったランスを見たらもう一目瞭然だ。

「あはははは、だめだも〜ん! ゆーは、わたしのなのっ! わたしから、とっちゃだめなのー! あはははっ!!」
「……ユーリさん、短い時間で随分と親しくなったのですね?」

 ランは何処か悲しそうな瞳で見ていたが……、背中から抱きつかれているユーリには見えないし、判らない。だからどうか? と言う訳でもないが、普通に返していた。

「酔っ払いなんて、どの町でも、どの国でも絡んでくる者はいるさ。それ、殆ど共通だろう? ほら、志津香、落ち着けって。マリア 水をあげてくれないか? 出来ればヘパリ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ